• 東北関東巨大地震お見舞い
  • 東北関東巨大地震お見舞い

  • 2011.03.17

 全国の視聴者のみなさま、ならびに関係各位含めまして、このたびの激甚災害には心からお見舞い申し上げます。未曾有の大惨事に際しましてのわれわれ国民としての対応は、まだまだこれからのことではありますが、日本人として心をひとつにして想いを重ねていけることを切に願っています。「名探偵コナン」はじめ番組は多くが休止となり被災地などの報道が続く中、一日も早く被災者のみなさまの心身の回復、そして環境の復旧を祈っております。

 そんな状態ではありますが、僕の周りでは週末にお別れの出来事が続いてしまいました。ひとりは先月この日記のアニ民でもご紹介した故片山雅博さんです。地震の余韻が消えない土曜夕方、東京青山でお別れの会が催されました。その人柄を偲び300人以上の弔問者が、2時間かけて片山さんとのお別れに参加されました。アニ民にも書いたし、どの人の弔辞にも色濃く出ていたのですが、とにかく片山さんはコミュニケーションの人でした。それも自分と誰かはもちろんのこと、誰かと誰かを結びつけるコミュニケーションにたけているという、なかなか前人未到的な達人でした。同席された高橋良輔監督の「片山さんはおそらく自分のことを一番気に入ってくれてるに違いない、だれもがそう思ってしまうような不思議な人だったよね」なんていう感想に強く同感。片山さん、本当にありがとうございました。

 そして次の日には漫画家・村野守美さんの葬儀がありました。実は僕は弔問できなかったのですが、アニ民でも紹介してる虫プロ当時からの仲間・丸山正雄さんにお話を聞けました。実は村野さんは、小さいころからマンガオタクであった僕の大好きな漫画家のひとり。この業界に入ってからいつかはお会いしたいなあ、と思っていたのですがかないませんでした。代表作とすれば「垣根の魔女」(1979年80年)でしょうが、「オサムとタエ」「媚薬行」「草笛の季節」「スーパーマンの息子」などなど多くが僕が高校から大学時代の愛読書でした。一ジャンルにとらわれることなく、いろいろな分野でのお話を、一人の発想とは思えないほどの多彩な角度で描いた傑作の数々は、時代を超えて今でもホントに面白いですよ。それにしても青林堂系は本当にシブかったなあ。享年69歳、心からご冥福をお祈りいたします。

 というわけで最近いろいろあるのでしょう、電話での丸山さんとの会話が多くなっています。お互いハイクオリティで面白いアニメを創っていくための不断な努力は当然ですが、このような関係者の不幸は少し心が折れそうになります。…何かよるすべをなくした時、何気ない日常の維持が難しくなった時、夜道を歩くいつもの常夜灯やお店の灯りがなんとも心強いものです。「名探偵コナン」もみなさまのそんな灯りでありたい。大きな災禍の折り、困った時に気持ちを潤せるようなエンターティメントを送り出すべく、一生懸命がんばっていきたいと思います。3月19日土曜よる6時は先週放送できませんでした「裏切りのホワイトデー(後)」をお送りする予定です。