• 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民165人目
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  • 2012.11.22

 今週のアニ民はソニーミュージックの西岡明芳さんです。今はSMAという会社でソニーミュージックの名だたるアーチストを手掛けている西岡さんですが、僕が初めてお会いしたのはもう25年も前の事になりますね。

 当時「シティーハンター」を日本サンライズの植田さんと立ち上げるべく奮闘していた1986年12月に名刺交換から始まりました。こちらの思う番組イメージに合う楽曲をということで、結局OPが小比類巻かほる「シティーハンター 〜愛よ消えないで」、EDがTM NETWORK「Get Wild」になるスタートということになって、両曲ともオリコン初登場ベスト10入りとなったのはすべて西岡さんのおかげです。

 番組の求めるものとアーチストが作るものとのギャップは少ない方が良いのは間違いありません。なので間に立つ音楽コーディネーターの理解と伝達がすごく重要になってきます。簡単に言うとここら辺が西岡さんのスゴいトコ。で、この後このスゴさを何度も体験するのですが、「Get Wild」デモテープを初めて聞いた時のことは忘れられません。アニ民 植田さんの時にも書いたと思いますが、時は12月25日クリスマス、場所は銀座三越の銀座通りが見える喫茶店。西岡さんたちが持ってきたカセットテープを1台のウォークマンに入れて、イヤホンを一つづつ植田さんと分けて聞いたのです。都会的センスがあってカッコ良くて疾走感がありドラマのラストにかけるのでイントロが強くない楽曲を、との注文に見事にハマってたのが「Get Wild」だったのです。

 西岡さんとの関係は「シティーハンター」でその後もずっと続きます。岡村靖幸さんやFENCE OF DEFENSU、AURAなど基本的にソニーミュージックレーベルのシティーハンター楽曲は西岡さん経由によるものです。さらには1992年10月にスタートしたアニメ「コボちゃん」の時、ちょっとハメを外してなおコボちゃんな曲をとの注文を出し、真心ブラザース「花のランランパワー」なる絶妙な脱力パワー曲もからんでもらいました。

 その西岡さん自身、かなり多くの部署を歩くことになります。なのでケミストリーや西野カナなど、担当したアーチストはもう数え切れませんし、その誰もが西岡さんにリスペクトしているのも事実です。その昔、バービーボーイズが何かの音楽祭で優勝しその副賞がなんと自動車!その初代CR-X(赤いというよりワインレッドとシルバーのツートンな記憶)は西岡さんが運転することになり、果ては僕が譲ってもらうことになります。車のどこにもバービーなる証拠は無かったのですが、西岡さんからというのが僕にとってすごく大切で、大事に乗りきりました。さらにその後映画「名探偵コナン 時計じかけの摩天楼」で主題歌「HAPPY BIRTHDAY」をお願いした杏子さんに会うことになり、この事をお話して強力な縁を感じたことも事実です。

 その西岡さん、今月11月いっぱいで会社を卒業されることになりました。ちなみに今の現職肩書きは(株)ソニー・ミュージックアーティスツ 第2マネジメント本部 本部長となってます。今後も当然なんらかの形で音楽業界とはつながっていくとおっしゃってますし、またこの業界もそれを強く望んでいることは間違いありません。心からリスタートをお祝いいたしますので、どうかこれからも今まで以上に僕にもアニメ業界にもからんでいってくださいね。