- 経歴と、今の仕事内容を教えてください。
- 『番組・イベント等、
ビジュアル全てのアートプロデュース』
読売テレビには30歳の時に入社しましたが、前職でもほとんどドラマと映画のデザインなどに携わっていて、ずっと美術1本で仕事してきました。今は番組やイベントなどのアートプロデュースをしていて、ビジュアルに関わること全てを担当しています。番組で言うとセットデザイン、ロゴ、宣伝媒体、SNS関連、グッズを作るのも含めて、ビジュアルに関わるモノに対してのデザインおよびアートディレクションをしています。今担当している番組だと『ダウンタウンDX』や『そこまで言って委員会NP』『草彅やすとものうさぎとかめ』他、レギュラー特番では『鳥人間コンテスト』『ベストヒット歌謡祭』など。単発特番も多くて、数えきれないぐらい担当しています(笑)番組以外にも会社のビジュアル戦略や営業関連、イベント、新規事業に関わるなど新たな取り組みに対してもビジュアルに関わることがあれば何でも相談を受けて関わっています。
- 『テレビ局の美術』の仕事は?
- 『目に見える全てに関わり、
番組の“第一印象”を伝えるためにデザインする』
『テレビ局の美術』を身近に例えるとしたら…例えば初対面の人と会った時は、まず服装や髪型、メイクなどのビジュアルが目にはいりますよね。ビジュアル面というのは、やはり第1印象にとってすごく大きなものだと思います。それと同じで、テレビ番組の第1印象を伝える1つのツールが『美術』なのかなと思っています。番組の“個性”、「こういう番組なんですよ」というのを伝えるためのビジュアルで、デザインの色・形、ロゴの雰囲気で「この番組は面白そうだな」とか「これ見たくないな」とか第1印象を付ける。すごく重要な役割だと思っています。目に見えている、テレビに映っているモノのビジュアルは、全て美術が関わって、番組のイメージを伝えるためにデザインしたものです。
『テレビ局の美術』は自分1人ではできなくて、たくさんのスタッフがいて成り立っています。その中でアートプロデューサー、アートディレクターという立ち位置で、いろいろな方と一緒に働く。大きいものから小さいものまで、本当に多岐に渡るデザインが必要です。衣装・メイクさんも美術の管轄になるので、目に見えるモノはほぼ全て関わっていると思ってもらってもよいかなと思います。全てに“美術”として目を光らせている状態なので、本当に幅が広い。限りないぐらい幅広いです(笑)
- 仕事のやりがいは?
- 『大勢のスタッフと作り上げる
大変さと楽しさ』
今まで数え切れないぐらいのデザインに携わってきましたが、やはり番組内容・放送時間・ターゲット・予算が全く同じ条件ということはまずありません。なので同じデザインはなくて、毎回条件に沿った新しいデザインやアイデアを追求して、出し続けないといけない。その新しいデザイン・アイデアを形にするために、大勢のスタッフと一緒に作り上げていく大変さが“楽しさ”だったりもして、それらが重なりあって出来上がったものがやりがいになっているのかなって思います。一緒に働く人も、全てが、同じことの繰り返しじゃないっていうのがやりがいを感じるところです。
- ytvだからこそ実現できた、
もしくは描けた夢はありますか? - 『ytvのビジュアルブランドを守りながら
「テレビはおもろい!」と思われる番組作りを』
ytvは関西を基盤としたテレビ局ですが、全国ネット番組もたくさん制作しています。そして美術も、大阪から東京に行って、現場に入ってガッツリ携わる環境があります。私は大阪と東京、両方でやりたいと望んでいたので、それが今まさに実現しているというのがものすごく幸せなことだと思っていて、この夢が叶ったのは『ytvの懐の広さ』があったからこそかなと実感しています。というのも、東京の番組は現地のスタッフや外部の会社に任せているところがほとんどですが、ytvは「ytvの美術」で担当してほしいという風習が残っていて、僕らもytvのビジュアルブランド・クオリティーを保つために入っているんだと思って努力しています。そして現場も、ytvブランドを守るために美術部が参加できる環境を作ってくれている。働き方改革や予算面での課題もある中で、先輩たちの努力があったからこそ任せてもらえる環境があるんだろうと思います。
そして広がった夢としては、視聴媒体が多様化する中でSNSや新しいプラットフォームの開拓によって大阪から関西、大阪から全国、大阪から世界へと発信できるような番組を作り続けるっていうのが僕の夢でもあるし、みんなの夢でもあると思います。「やっぱりテレビはおもろいな~!」って、どの世代からも思われるような番組作りをしていきたい。ちょっと小綺麗にまとめたけど(笑)、結局はそこにたどり着くかなと思います。
- このページを見ている方へのメッセージ
- 『読売テレビは、“夢”売テレビ』
ちょっと照れくさい言葉なんだけど、だいぶ前に協力会社の先輩が『読売テレビは夢売テレビなんだよ』っておっしゃっていたんです。その先輩は長い期間ytvで仕事をしていた大道具さんで、送別会のときに「ずっとytvに居たけど、思うことは読売テレビは夢売テレビなんだ」って。柄にもないこと言うなと思ったけど(笑)、この言葉がずっと頭に残っています。でも実際、私自身夢を実現している部分もたくさんあるなと思っているし、視聴者に夢を提供するテレビ局なんだろうなと感じる部分もたくさんあります。もしytvに来たいと思ってくれる人たちがいたら、ytvで一緒に切磋琢磨していきましょう!(笑)(照)