「これは知らなかったですね。存じていませんでした」
「本当にすごいの一言ですけどね。そういうすごい会社が昔あったんだなぁとビックリしました」
「金子直吉さんは本当に商売の事しか考えていないような人で、ちょっと変かな。ひたすら商いの事を考えて、そのまま駆け抜けていってしまった人ってイメージですね」
「もちろん土佐弁には苦労しているんですけど、あとは物語の中でも出てくるんですけど、声が大きいという設定があるので、ずっと大きな声で喋っているのはなかなか大変だなって思いながらやっていますね。ただ、この人は端からエリートだったわけではなく、いろんな失敗をして、それでもめげずにどんどん先へ先へ突き進むっていう人物なので、すごいエネルギーの持ち主だなと思います。逸話で言うと、本当かどうかわからないですけど、商売の事ばかり考えていて、電車の中からずっと同じ人がついて来るなと思って振り向いたら自分の奥さんだったって…。奥さんと一緒に電車に乗った事も忘れてしまったというエピソードがあったらしくて(笑)。それはちょっと変人を通り越して、奥さんは辛かっただろうなって思いますね」
「関西弁との違いというのが多少あって、こう言ったら関西弁、こう言ったら土佐弁という微妙なニュアンスがある。周りが関西弁なので、そこに引っ張られると言い方がちょっと違ってきちゃうんです。ただ直吉も20歳で鈴木商店に来て、今撮っているのは30歳越えて10年近く大阪にいた時のシーン。元々は純粋な土佐弁だったんだけど、若いし、大阪にかぶれていくじゃないけど、途中からは土佐弁と大阪弁のミックスみたいな事になっても良いんじゃないだろうかって…。ただ冒頭の傘を出すところだけはしっかりした土佐弁で行きましょうと方言指導の澤田さんと話しています。これから撮影なんですけど、そのシーンがやっぱり一番重要かなって思っています」
「ご飯を食べる所はすごく苦労しています(笑)。プライベートでもなるべく右で箸を使って、右手を使えるようにしとこうと思っているんですけどね。改めてやるとうまく掴めなくて…。難しいなと思いながらやっています」
「よねさんはとてつもなくでかい器で、この時代に女性が店主になるって事は本当に珍しい事。もちろん商売の事は身近で見て知っている事もいろいろあるだろうけど、いざ自分が店主になった時、柳田富士松と金子直吉という2人に『あんたらにここを任せる』と言って、ドンと構えて生き抜いたというのは本当にすごい人物だと思いますね」
「今、名前を出した柳田富士松は砂糖を担当していたんですけど、彼が砂糖で常に一定の売り上げを出してくれていたからこそ、きっと直吉はギャンブルやチャレンジみたいな事ができたんだろうなと思います。あとは嗅覚かな。時代を見る目が直吉にはあったんだろうなと思いますね」
「よねさんと同じように懐が大きくてドシーンといる。簡単な言い方をすれば姉御肌の人なんだろうなと思っていた。そのイメージそのままにすごく大きくいてくれているという印象ですね。話すとすごく面白いし、いろんな魅力を持った方だなと思いますね」
「明治、大正って時代は本当にまだ開拓されていない事が山ほどあって、情報を手に入れる事もすごく大変だった。でも、そこに対する興味がすごくあって、なりふり構わずに生きていた人たちは今の僕らからは想像もつかないようなエネルギーで日々を過ごしていたんじゃないかなと思います。そういう方たちがいた事によって、今の平和でのんびりとした日本という国に僕らは生きていられるんだって改めて感じました。知らなかった人たちにはこの事実を知ってもらって、よねさんや直吉に負けない強い気持ちを手に入れるきっかけになってほしいなと思いますし、自分もこれを通して、そういうものを手に入れていきたいです。格好良かった頃の日本人の姿がここにはある気がするので、それを感じて頂けたらいいなと思います」
「とても格好良かった日本人の熱い魂がいっぱい詰まったドラマになっていると思います。これを見て、こういう日本の時代もあったんだって事を改めて感じて頂けたら嬉しいです」