「このお話を伺って原作を拝読して、こんな出来事があったんだと。いろいろ調べていくと、鈴木商店の焼き討ちの事件は小説にまでなっているんですね。知らなかった自分を恥ずかしいなと思いましたけれど、こういうお話を頂いた事によって、知らない世界を知る事ができてすごく嬉しかったです」
「鈴木よねさんは女傑にも似た太っ腹な明治の女性。それは元々お持ちだったものなのか、彼女が生きてきた上で培われていかれたものなのかわかりませんが、ご経験された色々な出来事が鈴木よねさんという人物を作り上げ、直吉がいた事によって1つの人格を完成されたのではないかと思います。本を読めば読む程、知れば知る程、2人の間の人を信じ、想う心は、なんと言う言葉で表現できるものなのか、それを知りたい、感じたいと思いながら小栗君と毎日お芝居させて頂いています。でも、日本の女性なら、よねさんに通じる何かを誰しも持ってらっしゃるのではないでしょうか。」
↓は金子直吉を演じる小栗君に対する言葉です。「とても魅力的です! この男に賭けてみようって思わせるだけの真っ直ぐな瞳で、彼がいた事によって私は鈴木よねさんにならせてもらえているのかなって気もします」
「小栗君は舞台を観に行ったり観に来て下さったり、直接のお仕事はした事がないんですが、共通の知り合いもいっぱいいて、ご飯やお酒の席では何度か会っていたので、まるっきり知らないわけではなかったんです。今回、初めてお仕事させて頂いて、とても情熱を持っていて、自分がやりたい事、興味がある事の範囲がすごく広くて、人に対して真っ直ぐな方だと思いました。とても爽やかで良いなと思っていましたが、ご一緒してみてもその印象は全く変わらなかったです。クールな雰囲気がありますが、内面はすごい情熱を持ってお仕事にも向かわれていて、本当に現場が明るくなります」
「やっぱり一番大きいのは人に対する信頼。台詞にもありますが、『商売は品物だけじゃない。人で商売する。人が大事なんだ』って事をよねさんは仰るんですよね。今って人間関係が希薄な所があるじゃないですか。よねさんは丁稚の1人1人に母の様に愛情を注いで、皆で一緒に同じご飯を食べて、日々のお世話をして…そういう気持ちに丁稚たちも応えるように正直にお仕事をしていったんじゃないですかね。そういう人に対する思いやり、愛情っていうのが一番大きな要因かもしれないですね。ビジネスライクな事も大事かもしれないですけど、それだけでは語り尽くせないような人と人との繋がりの上での仕事というのがあったんじゃないかなと思います」
「泉ピン子さんとも今回初めてご一緒させて頂きましたが、色々なお話をして下さいました。時代の事に関しても教えて下さって、本当に楽しい素敵な時間を過ごさせて頂きました。そうやってピン子さんに教えて頂いた事は、やっぱり私たちも同じように次の方に伝えていかなければいけない事。こういう時代物はだんだん少なくなってしまっているんですけど、ぜひ前向きに経験できるようになっていきたいなと思いました。生瀬さんは何度かご一緒させて頂いていますが、今回のようにゆっくりとお話したのは初めてだったかもしれません。生瀬さんの人となりとか、ご家庭のお話、お仕事に対する姿勢などを教えて頂いてとてもとても楽しかったです。西村さんは初めてなんですけど、初めてという気がしなくて、すごく馴れ馴れしくお話ししてしまいました(笑)。富山出身の方で、私の父方の田舎も富山なので、勝手に親近感を覚えまして…。西村さん、ごめんなさい(笑)。今回はぜひご一緒させて頂きたいと思った若手の女優さんが2人。相武紗季ちゃん、(黒川)智花ちゃんとご一緒できてすごい嬉しかったです。2人とも古き良き顔をしているじゃないですか。智花ちゃんはかわいらしくて、『この時代に本当にいたでしょ』って思うくらい(笑)。髪の毛を結っていると、おでこをペシってしたくなるくらい2人ともツルツルで、横に並びたくないなって感じでした(笑)。相武紗季ちゃんも真っ直ぐなお芝居をする方だなって、ずっとお仕事を拝見していて思っていたので。今回2人で対決するようなシーンもあったりして、すごく楽しかったです。お互いに目の奥で語り合えたんじゃないかなって気はします。智花ちゃんは本当におでこをペシペシやりたいくらい(笑)。イジめているわけじゃなくて、あまりにかわいいから(笑)。智花ちゃんは、一生懸命でひた向きにお芝居する方で、お芝居していて心が洗われる様でした。最後までよねさんに付き添ってくれる方なので、大事に仲良くしていきたいなと思っています(笑)。大和田(健介)さんは今回初めてだったんですが、本当に一生懸命で真面目な方ですね。小栗君と大和田さんは直吉と(大和田演じる)田川の関係にも似ていて、見ているだけで微笑ましいですよ。2人がじゃれ合っているのを見ているだけでよねさんになった気分になる。とてもいい俳優さんだと思います」
「やっぱり言葉って難しいですよね。でも、あまりにそれを気にしてお芝居が変になってしまうのも嫌だな。でも、そうしないと、関西弁に聞き慣れている方が『えっ、おかしい』と思ったらお話も入ってこないだろうし…。宝塚に住んでいた事がありまして(笑)、その時は周りにいっぱい関西弁が溢れていたんですけど、実際自分が喋るとなると違いますよね。多少難点はあるかもしれませんが、精一杯頑張りました」
「偉そうな事は言えませんが、こんな時代があった、こんな人たちがいた、それが自分の国、自分たちの先輩方だったという事に私も含め、もっと誇りを持つべきだと思いました。こんな風にエネルギッシュに生きられるんだと私もこのドラマを通して経験させてもらいました。色々な理由をつけて人生を諦めるんじゃなく、もっとエネルギッシュにガンガン攻めるような生き方をしても良いんじゃないかなと。人を大事にして、自分の周りに感謝して、そしてエネルギッシュに。人の一生ってやっぱり短いから1日1日大事にする。2人はこの時代をすごく大事に生きたような気がします。鈴木商店は関東大震災の不況を乗り越えられなかった。乗り越える手助けもあったそうです。でもその条件が『金子直吉を解雇する事』だったんですって。よねさんはそれをせず、金子直吉と共に倒産の道を選んだ。本当にもう最後の最後まで一本筋が通っていて…真摯に生きたからこそ、そうだったんだろうなと思いました。ぜひ、このドラマに触れて頂いて、こんな風に生きてきた人たちを知って頂いて、それぞれの生き方の参考にして頂けたらと思います。」
「激動の時代をエネルギッシュに、そして波乱万丈に生きた鈴木よねさんという方を演じています。ドラマお家さんはそんな時代を熱く熱く生きた人たちが描かれています。ぜひ楽しみにして頂きたいなと思っています」