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逮捕された 永山絢斗容疑者

【独自解説】永山絢斗容疑者、異例の1日2度逮捕の理由は?「確実に物証が見つかる日時を狙った」捜査の裏側を元捜査一課警部補が解説

 6月16日未明、東京・自由が丘の自宅マンションで「4月に大麻を所持していた疑い」で逮捕された永山絢斗容疑者ですが、その後家宅捜査で乾燥大麻1g以上が押収され「大麻を所持していた疑い」で再逮捕ました。永山容疑者はなぜ1日に2回逮捕され、なぜこのタイミングで家宅捜索が入ったのでしょうか?元埼玉県警・捜査1課・警部補の佐々木成三氏が解説します。

大麻の保管状態から疑われる常習性

 永山容疑者の自宅で押収された乾燥大麻は1g以上で、1回の使用量を約0.5gとして2回分に相当し、ラップに包まれた状態だったといいます。巻紙も数枚見つかり「ジョイント」という方法で吸引していたとみられます。法科学研究センターの雨宮正欣所長は「試しにとか好奇心でやったというよりは、大麻とか薬物の取り扱いに非常に慣れていると思われる」と常習性の可能性を指摘しています。

元埼玉県警捜査1課 警部補 佐々木成三氏

Q.常習性を指摘する声もありますが?
(元埼玉県警捜査1課 警部補 佐々木成三氏)
「警察は1月から、確度の高い情報で内定捜査をしています。捜査では『大麻を使用目的で持っているのか?』というのを明らかにするのですが、“ジョイント”があったということは、大麻を吸う目的で持っていたということは明らかです」

Q.内偵捜査の半年というのは長くないですか?
(佐々木氏)
「半年は、けっして長いものではありません。確度の高い情報があって、この容疑者がどこから大麻を入手するのか、どこで使用するのか、何を使って使用するのか、といった行動確認をして、捜索・差し押さえ・逮捕の令状を取るので、これくらいの時間はかかると思います」

異例の1日2度逮捕の理由(読売テレビ)

 永山容疑者は6月16日の午前0時過ぎに逮捕され、同じ日の午後2時に再逮捕されています。元厚生労働省・麻薬取締部の高濱良次氏によると「1度目の逮捕は『4月の時点で大麻を所持していた疑い』での逮捕で、その時点では押収量が微量など、起訴できない可能性が高かったのではないか」といいます。2度目の逮捕は「乾燥大麻1g以上が押収され『大麻を所持した疑い』で逮捕されているので、確実に“モノ”を所持していると思われる日・時間帯を狙って家宅捜索を行ったのではないか」と話しています。また、「4月に所持していたとみられる大麻と家宅捜索で押収した大麻が、同じものかどうか調べることで、常習性を立証できる」としています。

Q.同じ日に2度逮捕している理由は、1度目の逮捕理由では起訴しにくいと考えたからでしょうか?
(佐々木氏)
「色々な事情が考えられますが、1度目の『今年4月に大麻を所持していた疑い』も逮捕状が出ていますので、裁判官も相当な理由があって出していると思います。警察は、『永山容疑者が4月に自宅で大麻を共同所有していた』だとか『売人からの情報があった』など、間違いなく自宅に大麻を持っているという情報の元で逮捕状を取得して、捜索と差し押さえを行っています。1gの乾燥大麻が見つかった段階で、大麻の簡易鑑定をして、その場で現行犯逮捕ということもあるのですが、今回は本鑑定を行って間違いなく大麻だということを明らかにして2度目の逮捕となっています。1度目の逮捕がおかしいというのではなく、2度目の方が物証もあり所持が明らかだということで、一旦1度目の逮捕を釈放した上で2度目の逮捕を行って拘留するという捜査手法を取ったのだと思います」

Q.この日、自宅に大麻があると分かった上で家宅捜索したということですか?
(佐々木氏)
「そうです。それが、内偵捜査が長引いた理由だと思います。捜査がばれると証拠隠滅の怖れがあります。1gの乾燥大麻ですから、すぐ証拠隠滅できます。長い内偵捜査をして『間違いなくこのタイミングで家にある』ということで、警察は家宅捜索しています。時間も深夜ですが、深夜の捜索・差し押さえの場合、裁判所の特別な許可が必要なので、いつでも捜索・差し押さえができる状態を取っていたのだと思います」

(「情報ライブ ミヤネ屋」2023年6月20日放送)

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