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埼玉・八潮市 道路陥没事故の今―

【独自取材】埼玉・八潮市の道路陥没事故から2か月…転落したトラック運転手の救出は難航、周辺住民が強いられる“我慢の生活” 近隣店舗は営業再開のメド立たず…今も続く工事に行政は「おおむね想定したスケジュール通り」

 2025年1月28日、埼玉・八潮市で発生した道路陥没事故。発生から2か月が経った今も、転落したトラック運転手の男性(70代)の救出は難航しています。周辺の会社・店舗や、近隣住民への影響は?事故現場のその後と今を取材しました。

■シャッターを開けたら目の前が工事現場…周辺の会社や店舗は対応に追われる

事故現場は“大規模な工事現場”に

 2025年1月28日、埼玉・八潮市で発生した道路の陥没事故。直径約5mだった穴は崩落を繰り返し、40mほどに拡大しました。下水道管の腐食が原因とみられ、溢れる汚水などによって、転落したトラック運転手の男性の救出活動は難航。いまだ発見に至っておらず、現在は、管の下水を迂回させ、捜索活動を行えるようにするための工事が進められています。

会社の目の前で工事

 今回お話しを聞いたのは、陥没現場のそばで家具工場を経営する石井昇一さんです。資材や商品を運搬するには、もちろんトラックが欠かせません。しかし、シャッターを開けると、工事現場が目の前に…。

会社の目の前で工事

 以前は20台ほどの車が止められる駐車場があり、そこから荷物を運んでいましたが、目の前の交差点が陥没。駐車場は今、重機や工事資材の置き場となっています。

作業に3倍もの時間要することも…

(陥没現場近くの会社・石井昇一会長)
「トラックを置いている場所も歩いて15分ぐらいの所にあるので、車でトラックを取りに行って。でも、中まで入って来られないので、大きな荷物になると道路に大型車を止めて、フォークリフトで工場からトラックに積み込んで…。通常だったら1時間ぐらいの作業が、3倍の3時間ぐらいかけないと積み込めない、という状況もありました」

今までにはなかった作業が増えた

 また、目の前で行われる工事で砂ぼこりが舞い、汚れの点検などの作業も増えたといいます。

(石井会長)
「“大きな建設現場の中に工場がある”みたいな形ですよね」

営業停止が続く店舗も

 どうにか営業を続けてきた会社がある一方、近くの飲食店や美容院などでは、立ち入り制限により、2か月経った今も店を開けられない状態が続いています。

従業員の移動など対応に追われる

 『和食麺処サガミ(八潮店)』は事故発生後に営業を停止しましたが、営業再開の目途は立っておらず、工事用に駐車場を無償提供しています。広報担当者によると、「現在、社員は別店舗へ移動。アルバイトについては、近隣店舗に移動するなど、可能な限り希望に沿って対応。休業補償の話もあると思うが、工事が終わってから(現在は未定)」としています。

■「バキュームカーのような臭い」「心理的なものは大きい」長引く工事が周辺住民に与える影響

騒音・振動が住民に与える影響

 また、夜を徹し、24時間体制で行われる工事の騒音や振動は、住民生活にも大きな影響が。陥没地点周辺の住民からは、「寝転がっていると、地響きみたいな音がする」「鉄をたたくような音が出たりして、なかなか寝つけない日もあった」という声が聞かれました。

「悪臭が…」目には見えない被害

 さらに、陥没地点から約100mの場所に住む女性は―。

(陥没地点周辺の住民)
「臭いが、すごい…。シャッターとか全部閉めていても、家の中に悪臭が入ってきて、排水溝からどんどん臭いが上がってきてしまうので…」

Q.どういった臭いですか?
(陥没地点周辺の住民)
「バキュームカーと同じような臭い。換気したくても、窓を開ければ外も臭いので…」

 2025年2月下旬、住民説明会が行われ、当初より状況は改善されたものの、“我慢の生活”が続いているということです。

「心理的なものは大きい」居酒屋でも売り上げ減

 また、現場からほど近い所にある居酒屋『ちゃばや』オーナー・吉野治一さんは、「6~7割は売上が減っていると思う。道路が封鎖されたこともあるが、事故に遭われた方があのままの状態だから、救出されないと、心理的なものはかなり大きいと思う」と話していました。

■工事は予定通り進むも…完全復旧には2~3年要するか

トラック運転手の捜索は5月中旬以降か

 トラック運転手の男性は、陥没場所から約30メートル下流の下水道管に取り残されている可能性があり、埼玉県はその管の汚水をなくすため、仮設の下水道管を新たに作って水を迂回させる工事を行っています。2025年5月中旬の完成を目指していて、その後、運転席につながる穴を掘り、男性の本格的な捜索を始める方針です。

政府も動き始めたが…

 埼玉県・大野知事は2025年3月21日の定例議会で、「陥没事故対応に、国から財政支援を頂き、下水道事業会計の補正予算額は、50億円の増額になる」と、国からの支援を報告。同月18日に政府は、『八潮市の早期復旧』『全国の下水道管調査・修理』のためとして、今年度予備費から144億円の支出を閣議決定していました。

完全復旧には2~3年か

 トラック運転手の男性の捜索に向けた工事について、大野知事は「現状では、キャビン(運転席)にアクセスするための最も早い方法。現時点では、おおむね想定したスケジュール通りで進んでいる」と話していますが、陥没現場の完全な復旧には2~3年かかる可能性もあるとみられています。元の生活に戻るには、まだ時間が必要です。

(「情報ライブ ミヤネ屋」2025年3月27日放送)

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