春先、読みかけて止まっていた本だが、再び読み始めて一気に読めた。
そもそも最終章で、911でニューヨークのワールド・トレードセンターのツインビルに旅客機が衝突したテロの半年前に行なわれたアフガニスタン・バーミヤンの石窟寺院の大仏もまた2体(ツイン)であった、ニューヨークのビルはキリスト教文化の象徴、そしてもちろん2体の大仏は仏教文化の象徴であるということが書かれていたのを、まずチラッと読んで、
「あ、そうか!バーミヤンにおける大仏のタリバン(というかビンラディン)による爆破は、ニューヨークのテロと同じ考え方に基づくものだったのか!つまり大仏破壊にもっと注目していれば(文化的な興味ではなく宗教的、政治的に注目していれば)、ニューヨークのテロは防げたかもしれなかったのか!」
ということに気づいて、あわてて最初のページから読み返したのだった。
しかし、慣れないイスラム系の名前に苦労して、なかなか読み進めなかったのだった。
当初タリバンは、アフガニスタンを平定すれば政治的には関与するつもりはなかったこと、しかしそこにビンラディンがオマル師にうまく取り入って、タリバンもオマル師も変質して行ったことなど、ビンラディンという男の怖さや、タリバンの中にも良い人たちがいたことがよく分った。唯一神というのは怖いものよなあ。
これを書いたのはNHKのディレクター。映像取材だけではなかなか描ききれない部分をよく文章にしたものだと思った。 |
|
|