『ワーキングプア
〜いくら働いても報われない時代が来る〜』
(門倉貴史、宝島新書:2006、11、24)
「ワーキングプア」という言葉、今年になって初めて目にした言葉だ。
「格差社会」の片方に目を向けると、「いくら働いても豊かにならない」、まさに石川啄木のように「ぢっと手を見る」人たちが増えてきているという話。
「ワーキングプア」とは年収200万円未満の人を指すという。そういった人たちは日本に約550万人もいるという。そして生活保護を受けている世帯は約100万世帯。こういった数字を見ていると、なるほど格差社会、両極化は進んでいるのだなと思わざるをえない。
本書の分析部分の文章は、はっきり言ってややこしくて、あまりおもしろくない。読んでおもしろいのは「ドキュメント」部分。実際に「ワーキングプア」の人たちに話してもらった内容をそのまま載せているところは、読みごたえがある。全部で10の「ドキュメント」が載っているので、それをつまみ読みしても、十分に元は取れるのではないかと思った。
(2006、12、10読了)
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