9年前に出た本。著者は、私の大学のクラブ(グリークラブ)の大先輩。なぜ今頃、この本を読んだのかと言うと、この本の話を原作にしたミュージカル(お芝居)が10月の21・22日に豊中市民会館で行なわれ、私を含む大阪稲門(とうもん)グリークラブの面々も出演したから。ミュージカルの作者はこの本の著者・山路洋平先輩。昭和32年(1957)卒業というから、来年、大学卒業後50年を迎えるというお年だが、大変お元気。本業が脚本家で、その東宝での同期の俳優が、今回主演の大村 昆さん。
話の内容は本のサブタイトルにあるように、新制中学を一生懸命作り上げようとしていた先生方の苦労や、当時中学生だった著者の思い出などが織り込まれた物語。
私たちは、戦後の闇市の場面で「闇市ブギ」を歌って踊る男たち、という設定。
「練習は3回くらいかな、簡単な曲だし」
と当初、山路先輩は言っていたのに、結局9月から10月の土曜日はほぼ毎週、1回につき3時間ほど、歌と踊りの練習をするはめに。
「仕方ないだろ、お前らの出来が悪いんだから」。
新制中学の先生もこんなふうだったのか?しかし、実際やり遂げてみると、合唱団だったはずの我々「大阪稲門グリークラブ」が、なんだか「大阪稲門ダンサーズ」になったような感じで、とっても楽しく踊ることができました。主演の大村 昆さんにもほめてもらいました。作曲は、これも著者の同級生だった(これも著名な)前田憲男氏。
タイトルの「紙のピアノ」とは、本物のピアノで練習できない頃に「紙に鍵盤を書いて」その上で運指して練習した、という話に基づくもの。
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