タイトルがちょっと下品で、
「うーん、『ナニワ金融道』みたいな本やろな。それとベストセラーの『下流社会』のブームに乗った本ではないかな」
と思ったのと、本の帯に載っていた著者の写真が、
「これがその下流喰いの張本人だ!」
みたいに怖くて(ゴメンナサイ、でも本当に迫力があったんです・・・でも、とても同い年には見えない、と私は思う)、書店で見かけても敬遠していたのだが、あるときふと手に取ってパラパラめくって見ると、これはなんとも興味深くおもしろい!
「格差社会」の陰で、かつての「中流」から滑り落ちた人たちが「消費者金融」に吸い込まれ、そのループから抜け出せない人は、知らず知らずのうちにさらに深い「闇の金融」の世界に引きずり込まれていく・・・。
3か所以上の消費者金融から借りている「多重債務者」が「350万人もいる」という現実、「ご利用は計画的に」できる人なら借りないという現実。政府はようやくグレーゾーンの撤廃に動き始めたが、結局それは、闇の金融の世界に引きずり込まれる人を増やすだけではないのか?という懸念さえ、本書を読むうちに沸きあがってきた。
思うに、以前だったら、この本のタイトルは「消費者金融の実態」で、サブタイトルが「下流喰い」だったのではないか。最近は、サブタイトル的なものをメインのタイトルにして消費者(読者)の気を引き、実質的な内容を示した物はサブタイトルにする傾向がはやっている。「さおだけ屋はなぜ潰れないか」あたりからではないかな。その前は「○○する人、○○しない人」という対比方式のタイトルが売れたが。
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