著者の窪園晴夫氏は1957年鹿児島生まれで現在神戸大学教授。専門は言語学、音声学。
われわれアナウンサーにとって、アクセントは大切なもの。この本では標準語のアクセント、標準語と英語のアクセントとの関係、平板式アクセントの秘密のほか、ご自身の出身地・鹿児島弁のアクセントとその変化について書かれているので、大変勉強になる一冊。(ま、鹿児島弁のアクセントには、それほど関心があるわけではないのだが。)
標準語アクセントの法則は、英語のアクセント法則と基本が同じで、それは大阪弁を始めとした方言にも適用できるという。これは画期的だ!
でも理解するのはけっこう難しかった。特にLとHで表記されたものを、ふだん私はアクセントの高低をL=低く、H=高く発音する記号として使っているが、この本では2モーラの長さを持つ音節(エイ、アンなど)をH、1モーラの長さの音節をLと表記されている。モーラと音節の関係などもややこしくて、なかなかきっちり体で覚えられないので、余計に難しかった。
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