サブタイトルの『「戦前思想」を書く』につられて購入。もちろん、「全体主義」にも興味があったのだが、「戦前」思想って一体何かな?という疑問の方が大きかったので。
プロローグで『「戦前思想」という試み』とあり、本来「戦後思想」という場合は、明確に「いつから」の思想であるかを確定できるが、「戦前」であることが確定できるのは実は「戦後」になってからなので、それが確定されない時点で「思想」という思潮が存在しうるのか?という、なんとも哲学的な堂々巡りのようなことを書いてある。この著者には『日本とドイツ二つの戦後思想』という著書があり、本書はそれと対になる形で存在しているのであろう。でもちょっと無理があったのかな。読んでみたら大変難しい。よく分らない。私の知識ごときでは太刀打ちできなかった。残念!
最後にエピローグを読むと、著者も「正直言って、うまくまとめ切れたという気はそれほどしていない」と書いてあるではないか!そりゃないよ・・・!!
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