評判のこの分厚い本(565ページ)、新しく出た方の「戦後篇(1945年〜1989年)」から読んでみました。これは書下ろしではなく「語り下ろし」なんですね。その分読みやすいが、少し軽い感じはしました。特に半藤さんも書いていますが、戦後すぐの占領下や独立講和条約調印までは詳しいけど、昭和40年代以降は、通り一遍の感じが。まあ、まだ「歴史」になっていない分ということですかね。
自分がまだ生まれる前のことに関しては、このぐらい軽い語り口で、このぐらいの詳しさで学ぶことが必要とは思いますが、学校ではとてもこれを全部教えることは出来ないでしょうね、時間的な制約から。「学ぶ」というのは「教えてもらう」という受動的なものではダメで、自ら学ぶ、能動的なものでないといけないんでしょうね。
東京裁判あたりの話が勉強になりました。A級戦犯も、最初は25人と決めていたのですが、4月13日に到着したソ連の検事団の要望で3人増やし28人にして、これでよし!と被告席を28作ったのですが、その後4月27日にソ連検事団がさらに梅津美治郎(よしじろう)と重光 葵(まもる)を追加したいと言い出したのです。しかし被告席が28しかない。そこで、検事団は相談して、改めて真崎甚三郎と阿部信行をはずしたということがあったと。なんか、ええかげんだなあ。
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