著者は1930年生まれで『中央公論』『東京人』『外交フォーラム』などの編集者として鳴らした人。タイトルの「作家が死ぬと時代が変わる」という言葉は、三島由紀夫と同世代人で交友もあった中央公論社社長。嶋中鵬二の言葉だそうだ。著者が編集者として接してきた作家の顔を余すことなく記している。またその合間に盛り込まれているエッセイも批評の目が厳しい。特に「『シラケ』と『癒し』の類似性」「情報社会での言論の在り方」は「なるほど」と考えさせられた。
(2006、8、20読了)