本書のサブタイトルは、「8月15日と9月2日の間のはかりしれない断層」。
もう6年前に買っておきながら、今までなかなか読めなかった。そうこうするうちにヨメが先に読んでしまった。これは読まなくては!と。しかも、やはり8月15日までに読まないとね。そう思って、頑張って読みました。(そんな本が最近多い。ツンドクは増える一方だし。気合い入れて読まないと。)
タイトルに対する答えは前半に書かれている。国際法規上は、降伏文書に署名した9月2日が終戦記念日になるはずであるが、日本では戦前から8月15日=お盆は、死者の霊を弔う日であったから、それにあわせたところ国民的共感を得られたということ。
最近、佐藤卓巳氏が『月刊民放』(2006年8月号)に『「九月ジャーナリズム」を提唱する』という論文で同じように、8月15日終戦記念日を中心とした「平和運動」が起きた背景には戦前から行なわれていた「お盆のご先祖供養」があり、感情的な面からは8月15日を「追悼の日」とし、理性的には(中国と朝鮮半島を除き)国際的にも「終戦の日」とされている9月2日の降伏文書調印式の日を「平和の日」とする案を提案している。これに先立つこと6年、この本の著者(色摩力夫氏=元駐チリ大使)は唱えていたということ。
後半は、日本は「無条件」降伏したのか?そもそも「降伏」とはどういうことを指すのか、ドイツやイタリアの例を引きながら分析している。勉強になります。 |
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