国立国語研究所がここ4年ほど取り組んできた、外来語の言い換えをまとめたもの。
全国4500人に調査した、176語の外来語の言い換え例と理解率などが記されている。
最初の言い換えが発表されたあとに国語研究所の甲斐所長(当時)にインタビューしに行ったが、その時は「インフォームドコンセント」の言い換えを「納得診療」としたことに「納得」いかなかった。臓器移植のドナー(臓器提供者)の場合は「診療」に当たらないので、使えないと思ったため。それについて「納得」のいく話はなかったが、今回この本で「インフォームドコンセント」を引いてみると、臓器移植の場合はこれまでどおり「説明と同意」を使っていたので、そういった使い分けができるなら、と「納得」した次第。
この本では、各外来語に全体の理解度(4段階の☆印)と60歳以上の理解度が示されているのが、参考になる。
理解率の低いものから10語挙げると、一番理解率の低いのが「ロードプライシング」(認知率6.1%、理解率は3.0%)、次いで「パブリック・インボルブメント」「インキュベーション」「エンフォースメント」「コンソーシアム」「オフサイトセンター」「アクセシビリティー」「アジェンダ」「レシピエント」「タスクフォース」。ひえー、じぇんじぇんわからん!レシピエントとタスクフォースぐらいだ、わかるのは。
逆に理解率の高いものから10語挙げると、「デイサービス」(認知率87.9%、理解率77.2%)「ケア」「インパクト」「バリアフリー」「ミスマッチ」「ドナー」「リバウンド」「セキュリティー」「リニューアル」「ビジョン」。これで認知率84.1%、理解率61.6%。「認知率」が50%に近い語は「ボーダーレス」(51.6%)、「モチベーション」(53.2%)、「ユニバーサルデザイン」(53.4%)といったところ。
一方、「理解率」が50%に近い語は、「ライブラリー」(50.0%)、「サプリメント(50.2%)、「アイドリングストップ」(50.5%)、「リリース」(50.7%)といったところ。詳しくは本書をお読みください。税込み1600円です。
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