ヘッダー Space『愛国者は信用できるか』
(鈴木邦男、講談社現代新書:
2006、5、20)
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鈴木邦男さんと言えば、一時(いっとき)よくテレビに出ていた右翼の人。右翼だけど知的な感じだった。
今の国会でも問題になっていた教育基本法の「愛国心」。「愛国心にかけては日本一だ」と自負する著者が、今言われている愛国心はおかしいと指摘。あの三島由紀夫が「愛国心が嫌いだ」と明言していたという。それはなぜなのか?
昨今「愛国心」を語る時に、『国家の品格』の藤原正彦氏のように、
『「ナショナリズム(愛国心)」と「パトリオッティシズム(愛郷心)」は違う』
と説く人がいるが、これも違うと著者は言う。「愛国心」という言葉を使ったことが戦争に導いたのだから「愛国心」を使うのをやめて、かわりに「愛郷心」を使ったところで、その内容が同じであれば、今度は「愛郷心」が戦争へ道案内するというのだ。なるほど、それは一理あるかもしれない。一体「愛国」とはどういうことなのだろう。じっくり考えてみる必要がある時期かもしれない。
そもそも「パトリオッテイシズム」を「愛国心」と訳したのは、西周らしい。

★★★★
(2006、6、16読了)
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