ヘッダー Space『大衆食堂の人々』
(呉 智英、双葉文庫:1996、7、15
第1刷:2000、5、20第2刷)
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「大衆食堂」
親しみやすいこの名称の店に、実は私は行ったことがあまりない。最近行くのは、ファミレスとか、逆にちょっと高級な店とか。なかなか家族で小さい子ども連れてだと、「大衆食堂」って行きにくいよね。
そう思ったのだが、よく考えると「ファミレス」も、現代における「大衆食堂の一種」に違いないのであった。
そして「大衆食堂」と言うと思い浮かぶのが、学生時代、友達の下宿に泊めてもらった翌朝・・と言っても、もうお昼に近い時間帯。彼が、
「ロシヤ料理、食いに行こか。」
と言って連れってってくれた店である。看板にはたしかに、
「ロシヤ」
と書かれていた。がその前に、
「堂食」
という文字が付いていた。続けて読んでみると、
「堂食ロシヤ」
つまり、右から左に向かって、
「ヤシロ食堂」
と書かれていたのであった。その「ロシヤ料理店」で、私は「サンマの塩焼き定食」を食したのであった。
あれ?本の話が出てこないな。この本は、そんな大衆食堂の人々も出てくるし、そういった人々と交流があった呉氏の青春時代の話も出てくる。呉氏は早くもこの時期に(と言ってもどの時期なのか?)メガネをかけた女性の魅力についても言及している。これはかなり早い時期の指摘ではないだろうか。「メガネッコ、萌えー」とは、もちろん書いていないけれども。あ、その文章を呉氏が書いたのは1982年だ。掲載されたのは「スコラ」だ。なつかしー!あったよね、そんな雑誌。ちょっとエッチな雑誌でした。

★★★★
(2006、5、4読了)
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