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『「日本の私」をやり直す』
(長山靖生、中公新書ラクレ:
2006、3、10)
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この著者の本は『日露戦争』を最初に買ったが、まだ読み止しである。その後『不勉強が身にしみる』を買って、これは読んだ。
本書のタイトルは、川端康成のノーベル文学賞・受賞公演のタイトル「美しい日本の私」を彷彿とさせる。もちろん、それをなぞった大江健三郎の「あいまいな日本の私」も想起させたことは言うまでもない。
日本という国に、日本人として生まれた私は、この国を捨てて逃げ出せない。「最近の若者は・・・」と言う前に、「最近の若者」を作った自分たち自身に目を向けて問い直さないと、日本にも、自分にも、未来はない。
第6章の「『愛国心』は悪なのか』は、ちょうど、昨日(4月13日)の新聞に、与党の教育基本法改正についての話し合いで「愛国心」の表現について合意したと載っていたが、これについては、藤原正彦氏が『国家の品格』の中で述べていることがあてはまる。「愛国心」には「ナショナリズム」と「パトリオティシズム」があり、前者は(戦前のように)「自分の国さえよければいい」という「愛国心」であり、後者は自分の国を思う気持ちがあるなら、他の国にも同じように感じる人たちがいることを思いやれる「愛国心」だと。ただ同じ「愛国心」という言葉を使ってしまうのは、やはりわかりにくいのだろうな、と思う。

★★★
(2006、4、2読了)
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