全国的によく知られている方言・大阪弁。でも実は、
「地元ではそんな言い方、せえへん!」
という「作られた大阪弁」「虚像としての大阪弁」も数多い。たとえば、大阪で「もうかりまっか」などと言う商売人は、誰一人としていない。もし、いたとしたら、その人は大阪の商人ではない。そういった「誤まった大阪弁像」を正すべく、「ほんまもん」の大阪弁をご披露しようではないか!と立ち上がったのが、この本の著者・札埜和男さん。京都府立八幡(やわた)高校の国語の先生であり、日本笑い学会理事、なにわことばのつどい会員。交野市出身で1962年生まれというから、私とほぼ同世代で出身地も近い。著書に『大阪弁看板考』があるそうだ。あ、この本、買ったけどまだ全部読んでへん。
読み進んでいくと、「なにわことばのつどい」の中井正明さん、「大阪学」の大谷晃一先生、京都の御所言葉の専門家・堀井令以知先生、日本お笑い学界の井上 宏先生(読売テレビOBである)、元MBSスポーツアナウンサーの井上光央さん、大阪大学大学院の真田信治先生(私の恩師でもある)など、私が直接存じ上げいている人や、お会いしたことはないけれど、こちらは一方的によく知っている方々がズラリと出てくる。書かれている内容も、私が「平成ことば事情」で書いていることとオーバーラップするものも多く、
「そうそう!」
と大変共感を持って読んでいった。そして、「まったり」という言葉が、従来のものとは違う使われ方をしているという項を読んでいたら、おや!なんと私も出ているではないか!!札埜先生、「まったり」の使い方をめぐる年表を作成されたのだが、その際に、
『作成に当たっては、道浦俊彦氏(読売テレビ)のサイト<道浦俊彦の平成ことば事情>、「朝日新聞」一九九九年五月二十二日の「探索キーワード」を参考にした。』(98ページ)
と書いてあるのです!急に自分の名前が出てきたので、ビックリした!
一度、札埜センセイにお会いして、お話したいものです。。。 |
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