悲痛な叫びのようにも思えるこの本のタイトル、ちょっと週刊誌的なので、最初は買うのを辞めようかとも思ったのだが、結局買った。労働問題の専門家・本田が「ニート」という名前でひとくくりにすることで、本当に目を向けなくてはならない社会制度の改正が行なわれなくなってしまう危険性を、社会学が専門の内藤は、社会が若者に向けるネガティブキャンペーンとして昨今の「ニート撲滅作戦」(かな?)をとらえて、その誤りを正し、学生の後藤は、ブームの兆しを見せた「ニート」論に関する言説が、実は正しくニートの実態を把握せずに書かれていることを明らかにしている。3人の論文の寄せ集めで、内藤という人の文章には思想的な偏りを感じた。(文章も一番読みにくかった)3月5日の朝日新聞の書評欄で、評論家の宮崎哲也さんが指摘しているように、3人目の名もない大学生(後藤和智さん)が、一番透明なクリティカルな視点を持っているように思いました。 |
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