著者は1979年生まれ、この本を出した時点で24歳。その若さにして、「食べることだけは誰にも負けない」と豪語する著者。女性のように思える名前だが、男性だという。「大食い選手権」に出てくるような大食いではないのだが、時間をかけていくらでも食べられ、その味の記憶をいつまでも保てるという「特技」を生かして出版したのがこの本。帯にはグルメ評論家の山本益博さんが自筆で、
「私の仕事を超えてゆく新人、ついに現わる!食いしん坊の必読書です」
と、わざわざ書いているのだから、間違いあるまい。人並みはずれた「舌」と「胃袋」が体験した店と料理の中から、Best167店、珠玉の180皿を紹介している。
東京在住のようだから、関東圏の店が中心ではあるが、日本料理だと京都のお店が出てくるし、蕎麦のお店は茨城県の辺鄙なところのお店なども出てきて、その味への探究心には舌を巻く。ただ、「そば・うどん」部門には「蕎麦」の店しか載っていない。関西人としては、是非「うどん」部門も充実させて欲しい。
読んでいくうちに、「是非その店に行ってみたい、食べてみたい!」と思うような文章が続く。もちろん(?)、私が行ったことがあるような店は、ここには載っていない。高い店が多いが、それほど高くない店も載っているのが救い。ちなみにBest1は「東京・世田谷の寿司屋「入船」。マグロづくしのおまかせが1万5750円。高いといえば高いが、それが「Best1」の味なら、1度くらいは食べてみたい。Best4のステーキ店「あら皮」(「あら」は鹿を三つ書いた漢字)のステーキディナーはなんと4万7520円!だそうだが、サーロインで400グラム、テンダーロイン(フィレ)が350グラム。『値段だけ見れば「高い」と思うかもしれないが、この肉にはそれだけの価値が十分ある。』そうですから・・・食って見たい!!
ところで、「とんかつ」の店のところの第2位に挙がっている店の名前を見て?おや?っと思った。知り合いの実家がやっているという店ではないか?
もしや?と思って「こんな本に載っている店は、もしかして、そちらのご実家ですか?」と聞くと、ピンポーン、正解!
「とんかつ1位で載っている店は職場から近くてよく行くので、今度ご一緒しましょう!」とお誘いのメールが。是非っ!! たまにはこんなグルメ本を読むのも、いい。
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