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『ネットと戦争〜9.11からのアメリカ文化』
(青山 南、岩波新書:2004、10、20)
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アメリカ文学とか詳しい人でないとなかなか難しいかなあ・・・私は詳しくないし・・・でも9・11からのアメリカのネットの様子をつぶさに記録したという意味では、歴史的に今後、価値が出る(値段が上がるという意味ではなく)本かもしれない。
著者の青山 南さんという名前を聞くと、なんだか「声優の女性」のようだが、れっきとした早稲田大学教授で翻訳家のおじさん=男性。以前、この人が書いた『ピーターとペーターの間で』(1991、ちくま文庫)という本を読んでおもしろかったので、この本買いました。
それぞれのサイトの写真とアクセスのためのキーワードを記してくれている。小森 隆という人が作った「トホホな訳語とウププな外来語」というのは私も興味をそそられた。今度ちゃんと見てみよう!
そのほか「PC(ポリティカル・コレクト=政治的正しさ)翻訳はむずかしい」(60ページ)では、英語で訳しにくい語のトップはniggerであると。「一昔前なら「黒んぼ」と無邪気に訳していればよかったが、この語を前にしてうーんうーんうなるというのが現状」だそうだ。その単語が『ハックルベリー・フィンの冒険』には215回登場する。今後新訳ではどう訳していくか、難しい、と。
大変便利でありながら、都市伝説の媒介メディアにもなってしまうインターネット。しかしそれを操っているのは「人間」である。人間の可能性の広さと多様性に、舌を巻くしかない。

★★★
(2006、2、28読了)
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