この著者の本はおもしろい。痛快である。が、何か「黒い笑い」を含んでいて、読後感は・・・なんとなくイヤなモノが、のどの奥に残ってしまう気がする。
それは実は著者本人も認めていて、あとがきの最後に、
「自分で読み返してみて、なんて皮肉なやつなんだ、と他人事のように驚くことがあります。皆様もさぞかし、といまさらながら推察申し上げるしだいです。」
と書いてある。著者は「犯罪被害者の遺族」という(ある意味での)バックボーンがあり、その激しい主張に対しても周囲が反論できないという立場にいるような気がしないでもない。ただ、「少年法の欠陥」や「野放しの心神喪失者」で記したような、過激ではあるものの現代日本の「欠陥」についての指摘の大半は、的を射ていると思う。
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