• 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民189人目
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  • 2013.06.06

 今週のアニ民はこのほど解散を発表した音楽グループ「GARNET CROW」です。
5月24日東京有楽町・国際フォーラムA、GARNET CROWのラストコンサートへ行ってきました。色鮮やかな照明が踊るステージで中村由利さんのメロディアスなヴォーカルが印象強い曲たちを奏でていきます。

 あれは1999年夏頃でしたでしょうか。GARNET CROWという新しいバンドの曲を「名探偵コナン」主題歌候補に、としていただいた曲が「Mysterious Eyes」でした。その華麗で新鮮なメロディラインになぜか織り込まれている切ないフィーリング、こんな手触りの音楽があるのね、とちょっとビックリした記憶があります。2000年の春から夏にかけてのOPがこの曲でED曲が倉木麻衣さん「Secret of my heart」というOP・EDのコンビネーションは、今でもコナン番組として会心の一つだと思っています。

 そのラストコンサート、ステージ上のお話は面白いお話の連続に満席のお客もノリノリです。ボーカルの中村さんがいろんな質問をメンバーにぶつける形で、ガネクロの素顔を一つ一つ見せてくれました。たとえば2000年にデビューして、当時は2、3曲を一緒に進行していて目の回る忙しさだったというのは作曲担当のAZUKI 七さん。

 デビュー曲「Mysterious Eyes」が初めてコナンのOPで流れた時は、TVの前で正座する勢いだったの、なんていう彼女のコメントにはジワッとくる嬉しさを感じ、その気持ちはこちらこそですって心の中で返事してたりして。そのスケジュールのハードさにスタジオでけっこう寝たりしてたのはキーボードの古井さん。果ては写真撮影の際もスタジオの暑さに気持ち良くなって、サングラスしてれば目をつむっててもわからないと思いウトウトしたりしてた、というコメントに中村さん一言「バレバレでしたよ」。

 映画「名探偵コナン 天空の難破船(ロスト・シップ)」の主題歌「Over Drive」にはたくさんの思い出があります。こちらからいくつもの希望要望を投げかけてしまいかなりご迷惑をかけたと思いますが、ふわりと浮かぶ飛行船をイメージして、歌詞だけではなく風を首筋に感じるヴォーカルから始まる歌を聞くと今でもゾクッとしてしまいます。本物の飛行船を使ったそのバック映像も、ストーリーにそして音楽に見事にフィットし本当にステキでしたね。

 東京の豊洲で映画公開前に行われた“怪盗キッドが曲を盗みにくる”イベントはすごく珍しいタイプのリリースイベントでしたが、妙に楽しく盛り上がりましたね。あんなコラボレーションをいとも軽くやってのけるガネクロというバンドキャラクターとパワーには本当に感激いたしました。あのあと控室で「Over Drive」についてのちょっとした苦労話を、そしてタイミング的に僕のバースデー祝いコメントをいただいてしまったこともよく覚えています。

 ラストコンサートの最後の曲は「夢みたあとで」でした。2002年前半のコナンED曲でしたね。夢を見たあとで現実に戻るわけですが、夢を見たものだけが手にできるだろう強さそして切なさを見事に感じられる名曲だと思います。コンサートの時はもちろんですが、こんな文章を書いていても目が潤んじゃうのは初めてです。ここまで書いていてガネクロ曲の持つ切なさは、[コナンが蘭にオレ(新一)が目の前にいるのに理由あってどうしてもそれを伝えられない]そんな気持ちに通じるんじゃないのかな、なんて思えてきました。うーん、今さら…だよな、でも、それって、やっぱりなんかすごい。

 本当のラストコンサートは大阪で6月9日だそうです。ガネクロのみなさん、どうか万感の想いを抱いて素晴らしきナンバーの数々を奏でていってくださいね。GARNET CROWそして音楽スタッフ関係者のみなさま。コナンとも一緒に駆け抜けてもらった13年間を本当にありがとうございました!