• 赤塚不二夫さん
  • 赤塚不二夫さん

  • 2008.08.13

 また巨星が流れゆきました。ニュースやスポーツ新聞で大きく報じられていますが、漫画家の赤塚不二夫さんが肺炎のため、この2日にお亡くなりになりました。きつい夕立の襲来を感じさせる雨が降り出す6日の夕方、東京、中野坂上の宝仙寺で執り行われた通夜に参列して来ました。出版社の方々など大勢が世話係として働いている中、大きな祭壇には、ニャロメやバカボンのパパなど、赤塚先生が生み出した人気キャラクターのイラストが8枚並べられ、それに囲まれた赤塚先生の遺影にジーンときてしまいました。残念ながら直接のお仕事はないのですが、先生のお姿の記憶は21世紀になった頃の出版社年末パーティでの舞台あいさつでしょうか。周りにお酒をやめろと言われてるんだよね、とおっしゃいながら、ちゃっかりグラスを持ってる姿が忘れられません。

 なぜか祭壇の8キャラクターの中には含まれてなかったのですが、スワッチ個人としては赤塚先生のキャラクターで印象深いのは、先生の作品との出合いだった「おそ松くん」です。兄弟多い六つ子そのものがうらやましかったし、その名前が6人全部言えるのがなんだか快感で、何度も単行本を読み返してました。サブキャラ(?)のイヤミやチビ太がどんどん大きくなっていくのもマンガを読んで体感してるし、思いかえせば、赤塚先生の作品を通してアニメや漫画におけるキャラの見方を育ててもらった気がします。手塚治虫先生にはアニメ・漫画のストーリーを共有して楽しむ魅力も教えてもらい、赤塚先生の作品にはキャラを単純に心の底から楽しむ魅力を教えてもらったのかもしれませんね。読売テレビとしてのかかわりは、1971年から1972年に制作した「天才バカボン」があるんですよ。「元祖〜」は日本テレビになるんですけどね。

 それにしてもTVで見たんですけど、タモリさんの弔辞は素晴らしいものでした。原稿が白紙だったというのは本当でしょうか。新聞で内容を読み返すにつけ、その心がこもって完成された文章には尊敬と驚きを隠せません。変な言い方ですが人間かく在りたいものだという気になります。弔問客を見ても赤塚先生の偉大さ、影響力の大きさを実感できます。数々のギャグ作品を自他ともに世に送り出された、赤塚不二夫先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 話は変わりますが、8月7日から11日に開催された第12回広島国際アニメーションフェスティバルに行ってきました。このイベントは愛と平和をテーマに掲げ、広島国際アニメーションフェスティバル実行委員会が広島市などとコラボした大きなアニメの祭典。アニメーション作品を通し、世界恒久平和を願い、1985年から2年に1度、被爆地である広島で開催されているんだ。2年前にも参加してるので当時の日記に書いているよ、良ければ読み返してみてね。今回は、スワッチは国際色豊かな開会式から参加できたんだけど、テレビアニメとは一線を画した方向の、アートなセンスにあふれた世界のいろんな作品を楽しむ事ができました。今回は1656作品の中から1次選考を通過した76作品がコンペディション作品として上映されました。

 コンペ作品を見るのが第一の目的だけど、会場に集まる業界内外の方々と会えるのもこーゆーイベントの魅力のひとつ。今回も手塚プロダクション松谷社長を始めとするアニメ界のそうそうたる人たちが駆けつけていてね。特に注目してたのが手塚治虫回顧上映プログラム「アニメーションより愛を込めて」の中で手塚先生に携わった超大御所監督たちによる「オサムとアトムとアニメの日々」というタイトルのトークショー。今回そのステージに立つのはコンペの審査員も務めてる杉井ギサブローさん、出崎統さん、富野由悠季さん、高橋良輔さん、ご挨拶できなかったけど「YAWARA!」のOP絵コンテでお世話になったりんたろうさん。もうものすごいメンバーです。当然、手塚眞さんも登場、本当に楽しいステージになりました。でもメンバーのわりに割り当て時間がちょっと少なすぎですよね。皆さま、本当にお疲れ様でした。

 あの拉致アニメ「めぐみ」も“平和のためのアニメーション”というカテゴリーで上映されました。大会役員の多摩美大教授・片山さん(業界の楽しき良き先輩)に紹介されて会場で出会った制作会社ロボットのクリエイター・加藤さん、大嶋さんとは初対面。でも彼らのコンペ参加作品「つみきのいえ」は日本からの選抜3作品の1本、そのプロデューサー秦さんは元YTVの同僚という結構せまい縁の作品でした。日本から世界からいろいろな若者たちのエネルギーがアニメーションという形をとりながら、ここ夏の広島でそれぞれの発光を繰り返す。ありがとう、同時代人としてその現場に立ち会える幸福を噛み締めながら、会場近くの平和公園で手を合わせ、まぶしい空を見上げるのでした。

 それから「ヤッターマン」と「名探偵コナン」は2週お休みになります。放送を楽しみにしていた皆さんには申し訳ありませんが、次の放送は9月1日になります。その間はまずは北京オリンピック一色になるんだろうけど、8月下旬には2作品の楽しいイベントが待っているからね。YTVがある大阪市中央区の大阪ビジネスパークで開催される「わくわく宝島2008」(8月23日〜31日)では、特大アニメイベントコーナーが会期中華やかにオープンしている中、特別イベントとして28日に「ヤッターマンスペシャル ステージだコロン!」を開催。「ヤッターマンの歌」を歌う西尾夕紀さんのステージやヤッターマンとドロンボー一味が大暴れするキャラクターショーを楽しめますよ。

 そしてお伝えしてる通りYTV開局50周年を記念し、大阪城ホールで開催されるライブイベント「スゴ夏!」(8月26日〜31日・27日はお休み)では、30日に「名探偵コナン夏祭り!〜夢の初ライブ〜」を開催。倉木麻衣さん、愛内里菜さん(ゲスト:三枝夕夏さん)、上木彩矢さんたちのライブ、ZARDの今回特別バージョンとなるフィルム&ライブコンサートを楽しんで下さい。来られる方には、テレビとはひと味違ったライブ感溢れる「ヤッターマン」&「名探偵コナン」ワールドを満喫して欲しいと思っています。

 東京・松屋銀座で開催された高橋留美子先生初の原画展「高橋留美子展」に行ってきました。一番気に入ったのが高橋さんが所持しているという日本刀の展示。すげーかっこいいこの刀を基に、あの鉄砕牙が描かれているのかと思うと感慨深くホレボレと見てしまいます。日暮神社をイメージした鳥居も存在感あって、とにかく犬夜叉ワールドに帰ってきたぞという感じ。留美子先生が描いたすごくきれいなたくさんの原画はもちろん、青山剛昌先生や北条司先生が描いた「うる星やつら」のラムちゃんなど、個人的にも楽しい展示がたくさんありました。サンライズ制作の最新アニメ「犬夜叉 黒い鉄砕牙」には黒山の人だかり。ファンの反応もすごく良かったなあ。これから見られる地区の方は情報をチェックして楽しみにお待ち下さいね!