新宿ミラノ座でエヴァ

　8月に入って夏満開！というような天気にはなっていないようですが、みなさんはお元気にお過ごしでしょうか。読売テレビ制作のアニメが、夏に暑さに挑むエネルギーをみなさんに分け与え…れたら本当にすごいことなんですが、番組をご覧いただければ、それに近いことになってることをわかってもらえると思います。

　まずは、8月8日土曜よる6時「名探偵コナン」は「不協和音を奏でる手」。久しぶりの1話完結オリコナ（オリジナルストーリーのアニメコナン）です。2時間ドラマなどの名手・小木曽さんによる、ビルの屋上ビヤガーデンを舞台にしたミステリー。季節感いっぱいの舞台でちょっとしたバンドが演奏する曲にまず注目。そしておなじみコナン・蘭・小五郎が事件に巻き込まれるパターンなのですが、ちょっといつもと違うのが事件の第一発見者が蘭であるということ。完全犯罪に見えた現場に残るいくつかのほころびから、コナンが徐々に真相に行き着いていく、ミステリーの醍醐味をオンエアで味わってください。

　その次の朝、9日朝7時からの「ヤッターマン」は「ホラ!穴の秘密だコロン!」。最近サブタイがずいぶんぶっ飛んでるのが多いのですが、今回のはかなりな境地に至ってます。だいたいガンちゃんのキャラが面白すぎる。コナンのヒロイン蘭もビックリの怖がりキャラじゃん。それにしてもガンちゃん役の吉野さんもうまいよね。「結界師」良守の時も感じてたけど、感情を強めに出すのがうまいというか、間がいいというかリズムがいいというか。そんな吉野さん演じるガンちゃんが、やるときゃやる!パワーでドロンボーたちと大活躍。ストーリーの方も見てる子供たちが最後の最後までキモを冷やす仕掛けとなっていますですよ。

　今、YTV・NTVなどで深夜に「エヴァンゲリオン」の再放送してますね。時間帯のわりに良い視聴率を出しているようです。放送のされ方もかなり集中していて、作り手としてはちょっとうらやましい感じ。

　なので、と言うわけではないのですが、映画「エヴァンゲリヲン新劇場版：破」を観て来ました。今や新宿歌舞伎町で最後になってしまった客席1000人以上の大映画館・新宿ミラノ座（新宿ミラノ１）へ行き、日曜の朝10時前の行列に並びました。とはいっても公開から日にちがたってるため、日曜と言えども初回上映は３割程度の入りでしたか。公開直後は2週間にわたって興行成績1位だったんですよね。

　さてみなさんは映画をスクリーンに対してどんな位置の座席から観るのが好きですか？僕はなるべく前の方で、視界を全部スクリーンにあずけて観る感じが好きなのですが、ミラノ座くらい大きなスクリーンなら、スクリーン直前の次に横切る通路あたりに足を投げ出して楽しむのがいい感じです。この日はそんな好環境下でじっくり楽しむことが出来ました。

　だからって言うわけじゃあないですが、なんだかものすごいものを観せてもらったなあ、と言うのが感想。面白かったです。前作「序」の時も、改めてのリメイクとは違うココロザシを感じたのは記憶にあるのですが、今回はそれがもっとくっきりしてきてます。TVシリーズ当時にいくつか盛り込もうとしたテーマみたいなものを、1度シャッフルして、やっぱり好きなものをとりあげて深くしたというか。とにかく今回のはシンジとレイ。たしか15年前は一般的にこのシンジが新人類で理解できない、と言われてた気がするんですが、今はどうでしょうか。やはり主人公であるシンジの性格・行動がストーリー回しにうまく使われている、というか利用されているような、もやもや微妙なものを感じます。

　大人の事情の代表、シンジの父親の言う“我々の計画”もちょっぴり顔をだしてきてますが、この映画やはりすごいのは“つづく”スーパーが入って終わること。文字も気分も“KEEP OUT”いっぱいな次回作「Q」の予告編も興味深く、いろいろ教わることが多い、いろんな意味で今最先端の映画でした。

　それにしても庵野監督や多くのメインスタッフ、そして今をときめく声優さんたちが目白押しのこの作品、逆に言えばプロフェッショナルなベテランたち集合の作品となってます。なにかこの映画自体が次の世代？に対して「おい、エヴァにつづく次のヤツはまだいねーのかい？」ってあおってるようにも感じました。僕は若くはないのですが、そーゆー挑発は大好きです。せっかくもらったクリエイティブなエネルギーをおいしく消化していきたいと思いました。

　「犬夜叉　完結編」シナリオ作業はもう全体の半分を超えてます。先週もお伝えしましたように、たくさんの方々の想いがわれわれスタッフに乗り移ってきたかのように、現場はあわただしさを増しています。久しぶりの２ショット写真は監督の青木さん（右側）と脚本家の隅沢さん。２週間に１度のペースでシナリオ打ち合わせもバリバリやってます。もろもろご期待下さいね。