• 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民16人目
  • 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民16人目

  • 2009.11.26

 今週の住民は声優・古谷徹さんです。

 「巨人の星」の星飛雄馬、「機動戦士ガンダム」のアムロの声と言えばちょっとした大人なら誰でも知らない人はいないでしょう。もうこの声優界を何十年も代表しているような人が古谷さんです。

 その演じてきたキャラクターの多さには本当に驚きますが、僕が初めて出会ったのは1987年4月月曜19時「シティーハンター」と同時に放送スタートした「きまぐれ☆オレンジロード」です。合同イベントでお目にかかった古谷さんは、少し小柄にもかかわらず“精悍”という言葉がぴったりでした。春日恭介というちょっと気の弱い感じのキャラの役柄に対して、古谷さんには意外な印象を覚えています。

 それから2年後「よみうりテレビアニメ30年史」という特番でゲストとしてお会いして、あの「とうちゃん、オレはやるぜ!」の星飛雄馬は本人が学ラン着て、つまり中学生の時から演じていた、なんて聞いたりしてすごい歴史の人だなあ、と感じたりしてから、なぜかお仕事としてはあまりお付き合いのないまま長い時間がたちました。そして映画「名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)」のあのちょっとコワい変わった犯人役で久しぶりに再会、またまた印象がパワーアップしたのです。

 だいたいその直前のアニメ「アカギ」のナレーションがピカイチで、この映画もそれに通じる緊張感を見事に表現されたのが感動的でさえありました。逆に古谷さん自身が「名探偵コナン」に出演したことを事のほか喜んでいただいたこともあって、仕事などの折に食事していろいろお話できた時に判明したお互いの共通項が、ワインだったんです。それもワインそのものもそうですが、ワインは一人では飲まないものというか、ワインを囲む食事のチームが好き、みたいな嗜好が共通項なんですね。

 古谷さんのお仕事は全部グレイトで今さら評価というレベルではないですが、今古谷さんってすごいなと思えることは、“日本のアニメの顔”としての存在です。この1年でも中国やアメリカ、ブラジル始め世界を飛び回っています。アニソン歌手の方々も世界での活躍が話題になっていますが、日本のアニメの声というよりキャラクターを演じる顔としての、世界をまたにかけた活躍には本当に頭が下がります。

 2008年3月リリースされたご自分のCDデビューアルバム「ヒーローズto my treasure〜」のジャケットには、僕の記憶にある精悍な古谷さんが上半身真っ黒な裸で写っています。うーん、かっこいい。これからもわれわれの業界の大きな立役者として、(僕とワインを飲む時間をなんとかとってくれながらも)身体には気をつけてがんばってくださいね。今回2枚目の2ショット写真はもちろん古谷さんとスワッチ、僕のほうが顔でかくて恥ずかしい…。