• 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民20人目
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  • 2009.12.24

 今週の住民は声優・日高のり子さんです。

 もうおなじみ「犬夜叉 完結編」桔梗役の日高さんはアニメ好きじゃなくても誰もが知ってる実力派声優。TVアイドルから歌手、そして舞台からMCやラジオのDJなど業界を代表する存在であります。

 そんな日高さんとの初めての出会いはTVアニメ「ボスコアドベンチャー」。

 OP「ときめきはForever」、ED「晴れた日にも愛をください」と2曲の主題歌収録で市ヶ谷の一口坂スタジオでお目にかかったのは1986年でした。第1印象は「わー、やっぱりアイドルだぁ」、声はもちろんですがすべてがかわいかったですね。この作品では声優としてもちょっとだけ参加してもらい、次は「シティーハンター」初期の美人キャラゲストとして登場、その後は「金田一少年の事件簿」まではあまり声優の仕事ではご一緒しなかったことになります。

 でもひとつ思い出すのが関西ローカルで放送していた「アニメだいすき!」。これは1987年から93年ごろまで春夏冬休みに、その当時買うか借りるかしか見ることのできなかったOAVをセレクトして放送した番組。なぜか「シティーハンター」やいろんな番組のPRをする特別号のコーナーに、MCの立場で何度か出演をお願いしてます。縁あったんでしょうね、その楽しくユニークなトークはYTV放送エリアの視聴者にだけご覧いただけたことになります。

 日高さんと言えばやっぱりそのユニークなキャラクターですね、とにかく明るい。一緒にお話していてもあの底抜けに響く笑い声が、すべてを明るく照らしてくれます。日高さんと長谷川のび太さんがパーソナリティをつとめる文化放送の長寿番組「ノン子とのび太のアニメスクランブル」に2度ゲストとして呼んで頂いたのですが、その地味なスタジオに反して番組の雰囲気の明るいこと楽しいこと。僕は自称ラジオ人間(中高生のころはラジオ聞きっぱなし生活でした)ですが、ラジオエンターテイメントの本質を感じたものです。

 そんな日高さんが「犬夜叉」オーディションに参加してくれて、桔梗役をお願いすることになります。桔梗といえばみなさんご存知のように、そのキャラの背景にさまざまな歴史があって、とにかくとってーも深い役。何もかもいろいろ甘くありません。前シリーズのあるアフレコの後、雨の降る帰り道に傘を差しながら一緒に歩道を歩いていたら突然「桔梗っていう人物がよくわからない」って言います。死人(しびと)になった立場で犬夜叉やかごめたちと、どんな気持ちで感情を会話に表現すれば良いのか。日高さんをしてそんな悩みをさせる“桔梗”の存在。「犬夜叉 完結編」のその演技は今までのすべてを包み込んで秀逸です。

 あと半分3ヶ月を残すのみとなったこの作品ですが、収録は順調に進行してまして、日高さんの写真も最近この日記で2度お披露目してます。主人公たちは桔梗の想いを全身に浴びながらクライマックスそして大団円へと向かいます。長年の高橋留美子先生作品の大きな柱としても君臨する日高さん。桔梗もそうですが日高さんは、20世紀末あたりから演技の幅を大きく広げてる気がします。それが直に感じられてすごいです。今年1月からの三ツ矢雄二さんとの新事務所「コンビネーション」をベースに、これからもその光り輝く明るいパーソナリティで、この業界を照らしていってくださいね。