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『アニメ村のステキな住民たち』アニ民30人目
- 2010.03.04
今週は映画「名探偵コナン」監督の山本泰一郎さんです。
山本さんはTVシリーズで数年監督したあと、映画「名探偵コナン 銀翼の魔術師(マジシャン)」からずっと監督を務めてくれて今回の「天空の難破船(ロスト・シップ)」で7作目となります。
「名探偵コナン」TVアニメスタートして1年目に演出でスタッフ入りしたという山本さんですが、僕にとってはしょっぱなから一緒なスタッフだったように思ってます。TVの方もこだまさんが監督してた時、作品を支える四天王と呼ばれてたメインスタッフがいてそのうちの一人が山本さんでした。
もともと寡黙な山本さんは会議でも多くを語りませんが、その演出的な注意力や配慮はたいしたもので、青山先生や僕らスタッフの提案で納得したものはすさまじいフトコロの深さで映像表現してくれます。リアリティの追求と感情表現のバランスが良い、と言えばいいのでしょうか、リリースされるフィルムは大人の気品さえ漂うようになってきましたね。特にこのことは昨年の「漆黒の追跡者(チェイサー)」で確立されたように思います。
背が高くてヒゲがトレードマーク?でどこか山奥で修行した仙人を思わす風貌の山本さん。コナンスタート3年目くらいに行なわれた、スタッフ150人での箱根温泉ツアーの大浴場で、ご自分のお子さんを懸命に洗っていた姿が妙にステキに記憶に残ってます。なんだか手がけている作品に対するそれとオーバーラップしたのかもしれません。
いよいよ「天空の難破船(ロスト・シップ)」出航の時が近づいてきました。最新作ではありますが、山本さんにとっては前作と作業がスライドしながら1年近く向き合ってきた作品です。映像としては僕もまだほんの一部しか触れられていません。音響も含めさらにこれから作品に命を吹き込む作業が続きます。どうか身体には気をつけて監督自身のリズムを大切にして、そして僕らプロデューサーやスタッフの方もチラッと見ながら、この船の船長としての舵取りをお願いしますね。そして完成してからは先頭に立っての映画パブリシティ行脚が待ってます。楽しみながら噛み締めながら一歩一歩興行成功に向けて歩いていきましょう。
そして、今年も3月5日に開催される大イベント「日本アカデミー賞」で映画「名探偵コナン」は4年連続で優秀アニメーション賞をいただいています。年間5作品が選ばれるこの賞のこの快挙に肩を並べる作品は他にありません。そして山本監督だけが全部あのレッドカーペットを歩いています。4回目の今年はどんな気持ちで歩くのでしょうか。そして3回目の時には着ていなかった、2回目受賞の時にあつらえたというあのおしゃれでカッコいいイタリアスーツはどうされたんでしょうか。