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『アニメ村のステキな住民たち』アニ民31人目
- 2010.03.11
今週はTV&映画「名探偵コナン」音楽の大野克夫さんです。
前回登場の山本監督を仙人を思わす風貌、と言いましたが、今回は僕らスタッフにとっても仙人を超えて神さまのごとき領域にいらっしゃる音楽の巨匠・大野克夫さんの登場です。
「名探偵コナン」TVアニメしょっぱなからのメンバーでもある大野さんですが、もうここであえて紹介する必要のない著名人であります。僕にとっては物心ついたころのグループサウンズ全盛時代「ザ・スパイダース」のメンバーだったという事実ひとつで、もうハーッとひれふしたいくらい。そして今の巨匠の風貌も当時はアイドルとしてのブロマイドが、売り上げ1位だったほどのベースを持つレベル、そんな大野さんとコナンを通じてお付き合いできているのは本当にラッキーなことです。(写真は大野さんのCDです。うーん、完璧イケメンアイドルだぁ。)
あれは1995年8月頃でしたか、コナンの音楽をどうしようかという打ち合わせ時に「コナンはアニメだけどしっかりしたミステリーになる。なのでそれを支える人間ドラマもちゃんと描きたい。」というこだま監督のリクエストで、ならば「太陽にほえろ!」のような実写サスペンスの要素を狙おうと、当時まったくつながりがなかった大野さんに声をかけさせていただきました。ちょっと畑違いでさすがにだめかもと思っていましたが、音楽プロデューサーの堀尾さんが朗報を届けてくれてちょっとビックリ、すぐさまコナン音楽に対する取り組みを始めてもらいました。
大野さんの音楽制作に対する姿勢は驚くほど緻密です。各キャラクターを押さえることはもちろん、いつこんな感覚で捕らえたのだろうと思うような切り口で、作品の全体像を牽引するシャープなメロディが飛び出してきます。それを受けてもうこれは積み重ねられた伝統芸能の強さ、とでも言わざるをえない「大野克夫バンド」の息もピッタリした楽曲は1曲1曲愛でていたいもの。何年か前の「NHK想い出のメロディー」でこのバンドが演奏してくれたのは3曲、その中に「名探偵コナンのテーマ」が入っていたのはうれしかったなあ、カッコよかったなあ。
毎回の映画サウンドトラックCDの曲タイトルをつけるお役目をいただいてはや4年目。大野さんの楽曲レベルに対してそのネーミングセンスが問われるのは本当に怖いのですが、これも神さまがくれた大きなプレゼントと思って時間をかけてがんばってます。…今年のはいかがでしたか?
大きな青い世界観の中で悠々と漂う飛行船。映画の強烈なストーリーや映像と一緒に、今年もスクリーンの前で大野さんの名曲に酔いしれる自分が目に浮かびます。そこまで何度もご一緒してくださる大野さん、これからも「名探偵コナン」の世界を超えてずっとずっとお付き合いしてくださいね。