• 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民58人目
  • 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民58人目

  • 2010.09.16

 今週は講談社第3編集局長 野内雅宏さんです。

 僕が野内さんに初めて会ったのは「金田一少年の事件簿」のTVアニメ化ご挨拶の時ですから、1996年12月頃でしょうか。少年マガジン編集長になられる直前で、その穏やかな対応に返ってこちらの緊張感が増したような記憶があります。編集長になられてからも、ものモノつくりの感覚をベースにしたいくつもの新連載を実現してます。

 野内さんが、編集者というより原作者であった樹林さん、彼をきっちりサポートしていた編集者・都丸さんら最強のチームを指揮してくれて、月曜19時から放送された「金田一少年の事件簿」は3年半も続くことになりました。東映アニメの清水プロデューサーらも含めた金田一チームは見事に強固なものとなり、先述の10年のタイムカプセルイベントにつながってきたのです。

 実は野内さんとはスタートはそーゆー金田一仕事ではありましたが、その後の10年以上は完全にプライベート的付き合いもエンジョイしています。講談社の要職にある別のやんちゃな仲間やレコード会社のメンバー、何人かの声優さんたちとの“一種のグループ交際”状態です。そのどなたがリーダーになってもよいようなメンバーの中で、野内さんが占める位置はユニークでセンターではなく、大人たちの中で“いたずらな少年”的な存在感を放っています。

 結果として仕事に対しても遊びに対しても、貪欲ともいえるような真摯な取り組み方をされる野内さんですが、その途中経過はなぜか静かな印象が強く、第一印象で述べた“穏やかな対応”というのがどんな場合でも感じられます。その中にチロッと見える炎のように、アチッといわざるを得ない熱さが垣間見えて、これはただものではないという空気をかもし出します。それが空気だけの時もあるのがステキなのですが。ご本人いわく「ダメダメな部分がある」というのが、かえって野内さんの大きさにつながってますよね。

 業界一厚い雑誌?「月刊少年ライバル」の創刊準備は本当に大変だったと思います。大出版社とはいえあーゆー本を500円で販売できるチカラは、いったいどこから湧いてくるものでしょうか。連載マンガはもちろん、巻頭特集なども毎号リキはいってるよなあ。今発売中の10月号には“編集人・発行人”と表記されてますが、局長の立場でこのような現場を背負っているのも野内さんならではでしょうね。

 さて前述のグループ交際、せっかくのメンバーなので何か新しいことをしなくちゃとも思ってます。そーゆー時も特に内容に関してさまざまなアイデアを一番提供するのが野内さん。でも僕より先輩の野内さんの活躍を黙って指をくわえて見ているつもりはありません。プロデューサーとしてもいろんなことを野内さんの背中で学ばせてもらいました。さあ、まだまだ閉塞感の漂うこの時代を破裂させるような、アホバカで面白い企画をみんなで一緒に生み出していきましょう。僕は昼も夜もとことん野内さんについていきますから。