• 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民64人目
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  • 2010.10.28

 今週は角川書店メディア局映像部部長 渡邊隆史さんです。

 僕には業界に誕生日が同じ方は結構いるのですが、生年月日までがすべて同じと言う方が2人います。そのうちの一人が今回の渡邊さんです。ということは生まれたのが1959年4月14日(火曜日)ということになります。別に曜日までは必要ありませんが。この4日前4月10日、天皇裕仁様と美智子様がご結婚され、日本国中が喜びに沸いた映像をよく目にしますよね。ちなみに皇太子浩宮さまは同学年と言うことになります。ここでは渡邊さんをいつものようにタカシと呼ばせてもらいます。

 そんなタカシと初めて会ったのは1985年秋のこと。今や角川書店のエースプロデューサーである彼はその当時、音楽関係業務をしていました。今は徳間ジャパンコミュニケーションズとなった、徳間ジャパンのパブリシティ営業として縁あってYTVをたずねて来てくれたのです。僕もまだぜんぜん駆け出しでちゃんと仕事とはならなかったものの、同時期に知り合った81プロデュース・中野徹さんも生年月日が同じと言うことを知り、意気投合した3人でいろいろやることになりました。

 だいたい男3人なのにこちら側が誕生日の誕生パーティーを企画。会費を取るわ、プレゼントを強要?するわ、毎年30人位集めてそれは楽しい時間を過ごしちゃいました。あの会に集まってくださった友人たちを“被害者”と呼んだのは誰でしたっけ?そうこう数年過ごすうちに、さすがに僕らもお年頃、家庭を持ったりしてこの誕生日会は自然消滅したのですが、今は無きパーティーの舞台にした何件かのお店はちょっと忘れられません。

 そんな中でもタカシは自分の道を着々と歩んでいきます。徳間書店に異動して結局「アニメージュ」の編集長になり、そこでのらつ腕ぶりを買われてライバル会社・角川書店に移籍。なんとなんと「ニュータイプ」の編集長になってしまいます。僕が知るところでもこのアニメ業界に二大雑誌の両方の編集長を歴任したのはタカシくらいでしょう。フツーありえません。

 で、その編集長にも満足せず、次にタカシが突き詰めていくのが映像の世界。多くの才能を集めて彼が世に出したのが映画「時をかける少女」であります。正直いっていつの間にそんな人脈を手に入れてたのか、仕事での接点が無かったので驚くと同時にちょっと悔しくもありました。そして次の作品「サマーウォーズ」に至ってはその円熟した制作チームに知人が何人もいます。映画の面白さも加わって悔しいより強烈にうらやましく感じたのは事実です。

 今は次なる作品に向かってまたまた大きく歩みを進めていることでしょう。それはいいけどタカシさあ、来年の4月14日あたりにまた次の誕生日会しよな。とにかく元来ゴールを競う事がない命の誕生というスタートラインに、期せずして一緒に立つことが出来た者同士。ただただ偶然のことなのに、その存在になぜか暖かさを感じる幸せをかみしめつつね。