• 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民101人目
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  • 2011.07.28

 今週は脚本家・宮下隼一さんです。

 8月コナンは怪盗キッド祭り!の8月がもう直前まで迫ってきました。今回はその第1話から脚本を手がけてくれてる宮下さんです。宮下さんと初めてお会いしたのはもちろん「名探偵コナン」のシナリオ会議。なんと第3話「アイドル密室殺人事件」からお世話になってるんです。ということは1995年7月ごろのことなんですね。

 元は実写や特撮を得意とされてると聞きました。あの「西部警察シリーズ」がデビューって言うんですからその歴史はすごい。今もそーゆー面はありますが、コナン番組開発当初は、アニメでありながら今までとは違う“しっかりしたミステリードラマ”を作っていこうという思いでスタッフは一致してました。それならば実写ドラマ系の脚本家さんにもぜひ参加していただこう、というわけで柏原さん[43](アニ民43人目に登場)の呼びかけで古内さん[38]らと集まってもらったのでした。ちなみに音楽を「太陽にほえろ!」の大野さん[30]にお願いしたのも同じ理由でした。

 数えてみると宮下さんには「名探偵コナン」を45本も書いてもらってます。15年間の間にこんなにやっていただいたのですね、これは本当にすごい!なおかつここ何年かは、宮下さんからの発想であるアニメオリジナル作品ばかりです。特に目立つのがJR西日本とのミステリーツアーです。すべて現地ロケハンの上に制作。今年はただいま岡山倉敷で大好評開催中です(冒頭の写真は岡山城をバックにしたロケハンチームで宮下さんは後列左から3人目。季節感無くてスミマセン)が、昨年は広島宮島七不思議、その前年は城崎こうのとり、と3年連続の宮下さん作品となってます。

 04年には倉敷吉備「桃太郎謎解きツアー」なんていうのもありましたが、僕が一番印象に残ってるのが06年1HSP「こんぴら座の怪人」。これはJRのタイアップではなかったのですが、宮下さんオリジナルの旅芝居一座が活躍するお話。それにしても実際にロケハンするとは言え、どうしてどのお話も上手にその地元ポイントを舞台にこんなコナンミステリーが展開できるのか。実はどのロケハンも原則、僕もご一緒してますので、何も無いところからストーリーとなってつむぎだされてくるその手腕に驚くやら感心するやら。

 東京ムービーとのお仕事は1984年「キャッツ・アイ2」からというので今回の「名探偵コナンスペシャル 夏の怪盗キッド祭り!」で「まじっく快斗」のシナリオを手がけてもらうのは必然かもしれませんね。コナンファンの中では有名な事実「青山先生はキッドをコナンより先に描いてる」を背負って、今回、満を持して登場する怪盗キッド。全4巻からなる原作をもとに、「名探偵コナン」ワールドをさらに拡大すべく平野監督[99]を先頭にしたもうひとつのスタッフチームで繰り広げていきます。

 さあ、今後のキッドの展開はもう一人の脚本家・吉永亜矢さんと宮下さんにお任せします。旅先でもよく一緒に体験する、初めての場所で新しいトビラを開くときのドキドキ感みたいなものをテンコ盛にしてがんばっていきましょう。あ、もちろんコナンもそしてお互い近所のあの店での合流もよろしくお願いいたしますね。