• 映画『神☆ヴォイス』公開!
  • 映画『神☆ヴォイス』公開!

  • 2011.11.17

先週末は映画「神☆ヴォイス」初号試写と講談社連合試写会が連続してありました。MA以降の完成品を観るのは僕もこの時が初めて。観客の素晴らしい反応にちょっとした鳥肌が…身内びいきになりますが、やはりこの映画は必見でした。僕は“声優たちのフラガール”なんていう表現でこの映画をアピールしているのですが、声優が好きだったり声優に興味があったりする人たちはガチで観て欲しいです。声優に全く興味が無い人は…アニメや洋画吹き替え、CMにテーマパーク、今や社会のありとあらゆる場面で声優たちのワークを耳にする時代です。よってそのような方も現代社会を切り取るような構図で…観てもらった方が良いです。

こういろいろ言ってますが、とにかく映画そのものが面白くなけりゃ始まりません。その点に関して、作り手の独りよがりになっちゃってはいけない…、試写会の時までそんな風に考えるものです。そして一般の方々に観ていただき、そのリアクションに触れて初めて更なる行動に出れる。そんな瞬間がやってきたのでした。

思えばAT−Xさんで放送されたバブリシティ番組が好評で、視聴者がその内容に手ごたえを感じているという情報が最初でした。この番組はニコニコ生放送でも放送され、その評判の輪は広がっていってます。そして試写会を最初に観てくれたニッポン放送アナウンサー吉田尚記さんのツイッターの反響がすごい。初日の舞台挨拶の司会進行をお願いしている吉田さん、ツイッターをちょっと拝借いたします。

「声優さんが実写で出てくる映画っていうと先入観のある人いそうだけど、むしろ驚いた!声がしっかりしてるとやっぱ面白いんだわ!声優さんの演技レベルって高い!」うーん、まさにそのとおり、いいところつきますね。というのも一緒に観た映画慣れしたYTVスタッフも、声優さんという発声というかカツゼツのプロフェッショナルたちのセリフが聞き取りやすくて驚いた、なんて感想でした。声優の演技レベルが高い!こーゆーことを改めて伝えることが出来てうれしいですよね。今回の映画企画発案も、声優という既成な枠を取り壊していっていくヤツがいていいじゃん、的な想いもあったことは確かです。

11月19日土曜日全国の映画館(HP上で確認お願いします、名古屋地区は2週遅れです)でロードショー!の映画「神☆ヴォイス」。どうかお近くのスクリーンで、声優時代の新しい潮流をその目で確認してくださいね。…えっと何度かつぶやいてますが僕も冒頭と最後にチラッと顔出しちゃってます、スミマセン。で、冒頭の写真(1)は映画の台本(す○は僕のマーク、そのまま、す輪って読みます)ですがここで問題です。この台本が映画の中で登場するシーンがあります。それはどこでしょうか。映画を良く観て探してくださいね。

その土曜日夜6時は「名探偵コナン 世界一受けたい授業事件(後)」を放送。おかげさまで前編の視聴率は関東地区で11.7%(ビデオリサーチ調べ)、この枠での最高タイ視聴率を獲得できました。で、その後も世界一の本当の授業を受けられたみなさま、ここは絶対この後編を見て事件の真相を確認してくださいね。

なんだか朝晩は気温が急に下がってきて季節の移ろいをいやでも感じさせられます。冒頭の写真(2)は11月16日朝、汐留からの富士山方面眺望です。空気がくっきりすっきりしてきました。

今週は映画監督の佐野智樹さんです。

アニ民、というジャンルにふさわしいかどうか、というよりアニ民と呼んで迷惑でないかどうか、今回はそこがちょっと問われる方の登場です。

11月19日土曜日全国公開映画「神☆ヴォイス」。僕にとっても初めてのチャレンジである実写映画、その監督をお願いしたのがこの佐野さんであります。思えばこの作品はかなり数奇なめぐり合わせで成り立ってる気がします。まず初めは真弓ねーさん[100]やポニーキャニオン古川さん[109]らと昨年夏企画をスタートさせました。そしてその製作をお願いするにあたってはいくつかの会社を経て「護縁(ごえん)」さんになり、そこの紹介で佐野さんと知り合うことになります。

佐野さんは2005年「変身」で監督デビュー、それまではSF・特撮作品を多く手がけていました。それ以上に助監督として山崎貴監督「ジュブナイル」(2000)や三谷幸喜監督「みんなのいえ」(2001)などの参加してたそうなので、たとえば「神☆ヴォイス」の出演者山ちゃん(=山寺さん[112])にはおそらくその現場で会ってたりするんだよね。

当然ですが、撮入まで何度か直接会話をしています。初対面に近い会話の上ではその主義主張にちょっとかたくなさも見えたのですが、現場での佐野監督を見てるとその冷静さに驚きます。どう考えても物理的にも無理!なシーンも淡々とそしてアグレッシブに撮影進行、そしてある場所では意外なほど粘ったりして。プロデューサーとして言いたいことがあってもその現場姿を見ていると、とにかく最後は監督に任せるが正解、と思えてきます。

すべての配役を実際の声優が演じる、と言うレアなチャレンジもあって、初めは監督本人も少し混乱されたかも知れません。ですがプロの声優としての資質や特徴をつかみだすと、“役者と監督”両者ガチのぶつかりあいが面白かったですね。予想外の化学反応とでも言いましょうか、シナリオでの想像をはるかに超えた演出効果として映像に定着していきます。

佐野監督は子供のころ“さのき”というあだ名だったそうです。それを教えてくれたのが今回映画に出演してくれた植村なおみYTVアナウンサー。なんと二人は同系列の学校の同級生。お互いよく知ってる共通の友人がいるそうで、それが発覚したのも映画収録現場でのよもやま話においてでした。子供の頃のニックネームってちょっとこそばゆい何かがありますよね。もろ現場でいきなりそれを言われた監督、そこからあのクライマックスシーンがさらにパワーアップしたと感じたのは僕だけ?

そう言えば映画ストーリーの中でも奇妙な縁(えにし)が交錯してます。われわれ人間社会って縁を認識しあってつむぎあって成り立たせている、そーゆーものかもしれないです。けど今回は声優って言う世界の中でのそんな物語を、その世界をあまり知らなかった佐野監督がこんなに面白くてステキだよって観せてくれます。

沖縄では現在先行公開されているという映画「琉神マブヤーTHE MOVIE 七つのマブイ」も佐野監督作品であります。おりしも同じ時期に重なってきた佐野監督の両作品が、震災後の日本をさらに元気つけてくれるかもしれません。初号試写で隅々まで内容を知ってる僕もつい目が潤んでしまった「神☆ヴォイス」、大小さまざまな縁をつむいだ佐野監督のメッセージを、どうかぜひスクリーンで味わってください。