• 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民128人目
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  • 2012.02.09

 今週は声優の瀬戸麻沙美さんです。

 おかげさまで超好評放送中の「輪廻のラグランジェ」。まどか役JK石原夏織さんに続いてもう一人のJKのお話をしないわけにはいきません。主人公のひとり・ラン役の瀬戸さんをここではいつものようにあさみちゃんと呼ばせてもらいます。

 だいたい女子高生を主人公にするからっていっても、それを演じる役者が女子高生じゃなくてもいいっすよね。でも実際に役柄と同世代の役者がたくさんいて、そして演技の才能がしっかりあるってことがホントすごいです。今回の番組オーディションでは驚くことが多く、いろんなことを勉強させてもらいましたです。

 フィン・エ・ルド・スイ・ラフィンティ、通称ランと呼ばれるキャラクターを演じるコトは本当に難しいと思います。一つの国を背負う立場ゆえいろんな経験をし悩んできた女の子が、ドラマのはじめに発する声「わん」。お茶目ともかわいいともそしてちょっと距離あるともとれるこのひとことで、あさみちゃんはランというキャラクターを的確につかんだ気がします。

 ランは一言で言えば“クールな女の子キャラ”ですが、今後主人公なりにドラマのいろんな場面に遭遇し、その人となりはどんどん膨らんでいくのは当たり前。そこが難しいし指導項目でもあるのですが、僕らスタッフはかおりちゃん同様、本人の風向きまかせ的対応が大きいのが現状。だって役柄と同じJKなんだし。逆に言えばまどかやランというキャラは声優二人の人そのもので、その個性の土台の上にストーリーの先が展開できてきています。毎度アフレコ前にマスターブースに来て聞いてくる読み方やイントネーションについてのセリフの質問が、なるほどそーゆー視点で見ているんだ、ああそーゆー年代なんだ、って見えてけっこう面白かったりもします。

 深夜アニメ「ちはやふる」の主人公・千早役もまたピッタリですよね。作品設定の1m67cmという千早の身長は本人と同じだそうで、彼女のスピード感あふれる大きな動きがこれまたあさみちゃんにかぶって見えます。「千早とランは正反対の性格」とは本人の分析。もう対極の人生を2つ、しっかり歩んでいるわけですね。それにしても今まだ高校生なので、学校と仕事の両立は本当に大変だと思います。でもスタジオでは、この世界で走る!といった本人の強い意志をはっきり感じます。

 と言うわけで長身のあさみちゃん、立ってると僕と目線がほぼ同じ高さで、まっすぐな視線でキラキラしながら話されるとちょっとドキドキしたりします。普段の話し方はランと違ってどんなことにも元気いっぱい、いろんなことにケラケラ笑う、今この感性にはついていかなくちゃ、と思えるあさみちゃん。とにかくラグりんではいろんなことにはさまれて、難しい立場に立たされてるがゆえに、ちょっとおねーさん的な判断が要求される難しい役どころがラン。少し引きこもりがちな演技が続きますが、あさみちゃんが持ってる高いポテンシャルエネルギーで、まどか・ムギナミと3人のあったかフレンドなチームを引っ張って行ってくださいね。で、このタイミングでまた古いことを言わせてもらうと、この3人、僕の世代のドラマで言うと「俺たちの旅」のカースケ、オメダ、グズ六に重なります。ランはやっぱりオメダだよなあ。