• 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民130人目
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  • 2012.02.23

 今週は元アンパンマンプロデューサー柳内一彦さんです。ここではいつものようにやぎちゃんと呼ばせていただきます。僕のアニメ制作人生で最も早く出会っている人の一人です。というわけでアニメ「ロボタン」であがった第一話の絵コンテ表紙には「絵コンテ こだま兼嗣[3]、進行 ヤギノウチ」なんて書いてありました。おそらく1985年10月ごろのことです。

 お互いドラゴンズファンなこともあって、仕事上がりの飲み会によく行きましたね。その当時は「東京ムービー新社」と言ったトムスさん、スタジオも東中野の環六沿いにありました。そのあとやぎちゃんが担当したのが「それ行けアンパンマン」。コナン以上に長く続くこの作品の屋台骨を育て、それから20年近く支えてきたメインスタッフであります。子供たちが人生で一番最初に触れる作品をここまで続けることができたのも、やなせたかし先生の創作活動や作品監督以下多くのスタッフの頑張りはもちろん、そのバックにやぎちゃんのやなせ先生や出版社・フレーベル館に対してなどの細かいフォローがあったことは間違いありません。

 そんな中、仕事で一年間、やぎちゃんにじっくりお世話になったことがあります。「名探偵コナン」の一年目であります。TVシリーズコナンのスタートは決して順風満帆ではありませんでした。いろんな意味で背水の陣の覚悟をした布陣をとり、そのひとつがスタッフ強化。やぎちゃんにコナンのプロデューサー兼務をお願いしたのです。すなわち制作会社側のプロデューサーを二人にしてもらい、制作体制側専任が吉岡さん[27]に、小学館などの媒体側担当をやぎちゃんにというカタチ。今もたまに見ますが、3人がプロデューサーで出ているクレジットが懐かしいです。まさに今のコナンの基礎となってます、本当にありがとうございました。

 もう出会って26年以上ですね、僕のプライベート忘年会の常連でもあり、やぎちゃんの仕事が変わっても、何も変わりない会話が僕にはとっても心地良い。やはり人柄ですよね、なんかやぎちゃんと話してて摩擦を感じたことがありません。ずいぶん前ですが、ある監督の結婚披露宴の司会をしましたよね。緊張のせいか結構とちったりしてるのですが、それが幸せな会場の空気をかえって盛り上げて、見事にステキな二人のスタートを暖かく装飾してたのをよく覚えています。

 今はキャッププラス株式会社で「熱ッPO!編集局」というところでお仕事をしているとか。社名はC カルチャー A アート P ピープル それぞれの仕掛人、ベテラン、熱い思いを持っている人々が執筆する、来る3月8日スタートの電子書籍のことで、やぎちゃんはそこのアニメーションプロデューサーだそうです。なんだかもろもろ新しい感じ。でも僕はやぎちゃんとお互いどんなことをしていてもまったく変わらず会話できる自信があります。それはどうよ、ですが、仕事をしている時でもお互い仕事の顔を感じてなかった気がします。これからも会えるときにはいつでも会って、お互いの進む道を楽しくめであっていきましょうね。