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『アニメ村のステキな住民たち』アニ民135人目
- 2012.03.29
今週は小学館、元少年サンデー編集長・林正人さんです。
僕は「YAWARA!」でお世話になった小学館・奥山さん[81]たちに会いに、小学館の編集部を週一は訪問していた時期がありました。1990年代のことで、おかげでその際にいろんな編集の方々と知り合いになることが出来たのです。今回の林さんもその一人であります。
でも小学館は「少年サンデー」をはじめ数多くの雑誌を発行しているので、なかなか一人のスタッフと作品や仕事で一緒になれるということは少ないのですが、林さんの存在は早くから気づいていました。小学館ビル6Fの広いフロアに各誌編集部がところ狭しと並んでいるのです(今でもそうです)が、林さんは声がでかいのです。僕の記憶ではそのころ主に少年サンデー編集部にいらっしゃった林さん、僕がスピリッツ編集部にいても「あ、今、林さんいる」ってわかったものです。
さらにその持ち前の性格に由来するのですが、いろいろ仕切り屋の林さんの特技はパーティーなどの司会であります。ちょっとした二次会の盛り上げはもちろん、かなり大きなイベントでも見事に盛り上げていきます。僕が一番記憶に残っているイベントは高橋留美子先生の単行本1億冊突破記念パーティーでしょうか。ずいぶん前のことになりますが、帝国ホテルの一番大きな会場に設けられたのがなんとプロレスの特設リング。そのリング内で大きな金ラメの蝶タイを首にした華やかな司会者が林さんでした。
こーゆーイベント的な仕切りには当然必要なことなんですが、やっぱりアタマの回転が速いというか機転が利くというか、物事の進行に緩みがないんですね。とあるお店で仲間十数人が集まっていても、そこでの遊びは林さんがいれば大丈夫。たくさんの引き出しの中から林さんが最適な提案を出してきて、「○○ゲーム」いきまーす!との号令ひとつでみんながそのゲームに突入出来ちゃいます。参加者のキャラクターもつかんでいて、その突っ込みに大笑いすることもしばしば。油断してると僕も思いっきりいじられます。
そんなキャラは編集の仕事においてもきっちり発揮されてます。まず本来の作品つくりは「ARMS」「からくりサーカス」など、林さんが立ち上げたそばから読ませてもらい、その編集というお仕事を近くで感じられてとても勉強になりました。林さんの少年サンデーの編集は編集長やその後のプロデューサーの立場まで入れると10年以上の歴史になります。お祝いイベントパーティーが参加者のレベルが高く、異常に盛り上がって世間の大きな注目を浴びた「サンデーマガジン50周年」の際には、何かにつけてピカピカしている編集長・林さんがその代表な顔をしていました。いくつも見かけた編集長インタビューでも、一言ひとことがサンデー愛に包まれて50年という歴史をステキな喜びの言葉に置き換えていました。
僕も「名探偵コナン」はもちろん「犬夜叉」「結界師」と、さまざまなシーンで作品に微にいり細にいりご助力をいただきました。編集として作家漫画家先生のことは第一!なことは踏まえたうえで、極力マクロな目線で作品をとらえていく、そんな林さんの前向きなメジャーセンスは今でもしっかり見習いたいものです。
で、今は名刺を見ると「マーケティング局シニアマネージャー(兼)コミック宣伝課課長」となっています。コミケやワールドホビーフェアなどのイベントの出展者にもなっているようです。ということは土日も絶賛お仕事状態ですよね。とにかくお互いまだまだもう一歩を踏み出せる世代です。健康にだけは気をつけてこれからも持ち前の明るさと度胸で、マンガアニメ業界にそのエネルギーを注入し続けていきましょう!