• 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民140人目
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  • 2012.05.10

 今週のアニ民は東宝の宣伝プロデューサー平野健吾さんです。

 名探偵コナン映画は毎年GW映画として4月に公開され今回の「11人目のストライカー」で16作目を迎えました。同時にTVシリーズも放送17年目を突っ走っています。両方とも同じコナンなのですが放送と映画ではその仕組みがずいぶん違います。特に映画は決められた期間に集中して作業する事柄が多く、特別に映画作品に対してのみの宣伝担当者が必要になります。というわけで映画興行のプロ・東宝さんから歴代の宣伝担当者がいるのですが第13作目「漆黒の追跡者(チェイサー)」からの現担当が平野さんです。

 毎年のことなので大体の宣伝スケジュールが決まっていて、だいたい前年の10月ごろから各社スタッフによる宣伝会議が開かれて、そこから映画宣伝平野号の出航です。彼を司令塔に紙パブ、映像パブ、WEBパブなどのメンバーも参加、映画に携わる各社の担当者も打ち合わせに加わって、宣伝部門チームとして半年以上の戦いが始まることになります。

 まずは送り出す作品に合わせて宣伝方針を立ち上げるのですが、ここ毎年平野さんの掲げるその宣言が強烈に熱い!宣伝のすべてはいかに多くの方々に映画を観ていただくか、そのためにはいかにこの映画の魅力をスムーズに伝えるか、が勝負です。なので平野さんなりに新作映画のこのタイミングでの解釈をたっぷり盛り込んでこんな方針でいかがでしょう!とぶち上げてくれる文章が面白くも熱いのです。

 映画宣伝に関するすべての判断が彼の元に集中するので、公開前の数ヶ月間はなかなか気が休まることがありません。良さそうな案件があっても、その成立条件いかんによって取捨選択しなくちゃならないことはザラですし、逆にギャンブル的な判断を迫られることも多いようです。とりわけタレントさんなど相手の都合もあっての交渉はそこが宣プロ(宣伝プロデューサー)の腕の見せ所となりますよね。

 公開直前あたりで平野さんの疲労は頂点に達します。あまりに多くの要件を抱えての同時多発的な仕事活動のせいか、たまに天然なおかしい発言も飛び出して僕らを笑わせてくれることもしばしば。今回あったのは移動中のバス車内で自分たちの移動状況を電話で伝えるのに「あ、今高速から落ちるトコです」。これには車内爆笑でみんな座席から転げ落ちていました。

 平野さんが宣プロデビューした「漆黒」はそれまでのコナン映画の最高成績を上げることが出来ました。これは歴代の宣プロさんが積み上げてきたものを受け継ぎつつ、その映画から始まった無料配布の“お試しBOOK”など、平野さん独自の初めてチャレンジが見事に結実したものと言えます。そして「11人目」も冒頭でお伝えしたように絶好調。ここ半年のお互いのメール記録を読み返してみても、その場その時における平野さんの努力や奮闘が伝わり胸が熱くなるものを感じます。コナン映画以外にも担当作品があって大変だとは思いますが、これからもお互いに可能な限り熱く面白く!コナン映画に携わっていきましょうね。