• ■10月05日
  • ■10月05日

  • 2004.10.05

 今回は11日にスタートする「ブラック・ジャック」について話すよ。この作品を手掛ける手塚眞監督はとても穏やかな人なんだ。本人がビジュアリストを言っている通り、映像には深いこだわりがあって絵の作り方は本当に素晴らしい。「ブラック・ジャック」という父親の名作に惚れ込んでいて、ていねいに手作り感覚で仕事をしているから、原作のテイストを残しつつ、見事なアニメ作品に仕上がっているね。

 作品には最初から最後までいろいろな工夫を凝らしているんだ。まずはオープニング。やっぱりブラック・ジャックだから主題歌には男性のヴォーカリストを探していて、その時に素晴らしいロックを歌うJanne Da Arcというバンドの話を聞いたんだ。彼らのオープニング曲は新しい作品の幕開けに相応しく、歌い上げるような曲調になっているよ。オープニング映像はブラック・ジャックのイメージに合わせて青を基調としているんだ。さらにオープニング曲の後には、かっこいいナレーションを入れているよ。そして、11日の放送のみオープニングには、プロローグとしてブラック・ジャックのアニメ版の生誕理由が説明されるんだ。この映像はこれっきりだから、くれぐれも見逃さないようにね。

 続いてはエンディング。オープニングがブラック・ジャックのイメージだから、エンディングにはピノコのかわいらしい感じが欲しくて女性ヴォーカリストにしたんだ。大塚愛さんの歌うエンディング曲は、かわいくてわがままで元気なピノコのイメージにピッタリだね。そして、エンディング映像もピノコのイメージに合わせてピンクを基調にしている。このエンディングにはブラック・ジャックの名言集のコーナー’ピノコの日記’を用意。その週の物語でブラック・ジャックがいい台詞を言った場面を流すんだ。とにかく最初から最後まで映像の見せ方にはこだわっている。ちょうどタイヤキのように頭から尾っぽまでアンコが詰まっているから皆にはしっかり味わって欲しいね。

 CM前、CM後の映像をアイキャッチと言うんだけれど、その映像は矢印がモチーフになっている。これは手塚監督のイメージしたものなんだ。前の番組が終わった後に流れる「この後すぐ…」という映像はブリッジと呼ばれているんだけれど、これはピノコにやってもらっている。日曜には「明日よる7時は…」というバージョンが流れたり、ブリッジは何パターンか用意しているんだ。そして「&日テレ」のスポットも作っているんだけれど、こちらはPRを兼ねてブラック・ジャックが出てくるからね。視聴者のみんながていねいに映像をチェックしてくれると、手塚監督も僕もうれしいな。