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『アニ民239人目』声優の羽佐間道夫さん
- 2014.10.16
今週のアニ民は声優の羽佐間道夫さんです。もう業界人じゃなくてもすべての日本人がその声を聞いているという、超ベテランの羽佐間さんと初めてお会いしたのはお仕事じゃなかったのです。それは2004年3月、麻上洋子=一龍斎春水さんの真打ち昇進お祝いパーティーでした。おそらくそれまではどこかの各種パーティーでニアミスはしてたものの、作品も共通してなかったので、すでに業界の重鎮な羽佐間さんにご挨拶も出来ていないままだったのです。
真打ち昇進パーティーそのものも僕にとっては初体験だったのに、6人座りの丸テーブルで羽佐間さんと隣り合ったのも初めてシチュエーション。驚くような豪華なホテル会場で講談業界のあたたかい笑いメインで進行するパーティーのさなか、羽佐間さんのウワサに違わない流暢なオモシロトークに、時間が過ぎるのを思い切り忘れてた記憶があります。というか気が付けばパーティー終了状態。
次にちゃんとお会いできたのが今度はお仕事でした。実写映画「神☆ヴォイス」であります。実はこの映画、羽佐間さんの所属事務所ムーブマンが大きく関わっており、羽佐間圭介さん(息子さん)といろんなお仕事をしていたのです。で、羽佐間さんには本編出演という運びになりました。役どころは主人公たちが挑戦する声優コンテストの審査員長!野沢雅子さんや滝沢ロコさんと机を並べて、審査員としてのひと言をいくつかお願いしました。一応決まっているセリフとは言え、さすがにこのレベルのご本人たちが発するお言葉は貫禄たっぷり、しっかり物語の起伏を担ってくれていました。
そして今回の「まじっく快斗1412」であります。寺井黄之助と書いて“じいこうのすけ”と読み、快斗からは「じいちゃん」と呼ばれる執事役が羽佐間さんです。じいちゃんと言いながら意外に軽快な行動にその年齢設定を忘れることもしばしばですが、じいちゃんいなくして快斗の活躍もない、というのがホントのところ(と僕は思っています)。快斗のことを「ぼっちゃま」と呼びながら、頼りない風に見えて実はベテラン舞台黒子よろしくベースをすべて抑えている天才執事、あたりがじいちゃんの真実の姿でしょう。
番組では18日放送で登場する「ブルーパロット」なるプールバーを経営しながら、快斗やその亡き父親・黒羽盗一に心から仕えて、怪盗キッドたるその親子をアシストしていくじいちゃん。ありそうな設定に見えながら、実はちょっと比類ない存在です。
最近はチャップリンの無声映画などをかけながら、その弁士よろしく声をあてていく「声優口演ライブ~アテレコライブ イン サイレントムービー」なる活動も盛んにされてます。これは是非ともみなさまも一度観るべき舞台ものだと思います。過去の映像が目の前のプロフェッショナルによって、ものの見事に現代によみがえることを体感できます。
この前スタジオで羽佐間さんといろいろお話させてもらったら、一龍斎春水さん真打ち昇進パーティーにおいての僕の存在はまるで忘れられてました(>_<)。でも無声映画の声優口演ライブよろしく、青山先生の一番長い作品を今によみがえらせてくれる一員であることはまぎれもない事実です。キャラクターを演じるというトップの地位にいる役者として、盟友 故矢田耕司さんの後をこれからもどうかどうかよろしくお願いいたします。