• ■03月12日
  • ■03月12日

  • 2007.03.12

 みんな、ただいま〜!今、成田空港に帰って来ました。前回の日記の最後でふれたようにスワッチは5日から9日まで中国の大連(ダイレン)、上海(シャンハイ)、杭州(ハンジョウ)という3つの都市に行ってきました。外務省スタッフの手配により、この3都市の学校などを巡って日本のTVアニメについての講演をしてきたんだ。講演の時間は質問時間を入れて大体2時間半から3時間。学生や一般の人たちを相手に「名探偵コナン」や「結界師」の話をしてきたんだけど、女性の姿が目立っていたなあ。お話の内容はまず現在の日本のTVアニメ放送の現状から始めて、10年半位前に放送され“日売テレビの諏訪道彦(37才)”が被害者として登場した名探偵コナンのTVシリーズ32話「TV局殺人事件」の中国語吹き替え版上映や、日本語・英語・中国語などの吹き替え言語比較、タイトルロゴバックなどコナン映像の時間的変遷、「犬夜叉」「ブラック・ジャック」や「結界師」のちょっとした制作ウラ話、監督やスタッフたちのそれぞれの作品に対しての姿勢や内容紹介などです。とにかく「名探偵コナン」は中国ではDVD BOXが350話まで発売されてるらしくて、知らない人がいないくらいの知名度みたい。聞いてみるとインターネットなどいろいろな手段で情報を得てる人が多く、参加したみんなは日本の様々なアニメにホント詳しくて、驚いちゃいました。

 最初に訪れた大連は前日の3月4日に50年に1度という規模の冬の嵐があったそうで、道路わきの超特大看板がバンバン倒壊しててね。もし前の日のスケジュールだったら大連入りできなかったみたい。その日は中国の旧正月最後にあたるんだけど、嵐のおかげで様々なイベントが中止になったみたいなんだ。その代わりかなあ、5日は明るい内から深夜までドンドンパンパンとお祝いの花火が街に鳴り響いて、季節感の趣ありまくりで面白かったね。街の夜景のあちこちに打ち上げ花火が予告なく花開いてなんだかステキでした。着陸前の機内案内では気温は−7℃、うーん実際寒くてビックリ。大連は坂道が多く、避暑地みたいな感じの町並みで、建物の外壁はすごくカラフルで南ヨーロッパなムード。市内電車も乗りたい感じで想像以上にキレイな町で住みやすそうだったなあ。

 2日目。大連の東北大学図書館講堂で200人以上の前での講演後、海に近い海鮮レストランでウニを殻のままスプーン食べなどのビックリ料理を、中国産「長城ワイン」でたっぷり食事してまたすぐ移動。機上してもなぜか1時間以上まるで動かない機内ではみなさん携帯電話使いまくり。いやその、遅れてるからしかたなく使うってな感じじゃない普段普通の使用態度なんです、うーん、いかがなもんでしょ…。1時間半以上遅れての上海到着後はその足で上海総領事館の人にごあいさつと食事。ここではもちろん上海料理、意外に癖がなく何にでもちゃんと箸が進みます。その日の最後はYTV上海支局の後輩・山川君やジェトロ(日本貿易振興機構)・中澤さんと3人で、宿泊するレトロなホテルのバーで夜遅くまでフランスワインを飲みました。

 そして3日目。講演を行ったのは上海音楽学院。日本のデジハリ大学とも提携していく予定とかで、知らないところでスワッチにも何かと縁があるんだね。大連でも上海でも講演前後には地元の情報誌や新聞の取材が結構多く、本当に日本のアニメって注目されてるのがよくわかる。ここでの聴衆も100人以上。質問コーナーでは日本のアニメがなぜ世界に受け入れられるのか、中国のアニメスタッフやその卵はこれからどうしたらいいか、などイロイロ熱いものがいっぱい出ました。ここでの講義は在上海日本国総領事館総領事・隈丸さんにも見て頂いて、こちらはかなり緊張しました。

 3日目の夜はまずレセプション。領事館首席領事・石井さんが「本年は中日国交35周年の記念の年、その文化交流第1号として日本のアニメの話を諏訪先生にこの地でお話いただくことは…」とおっしゃる。おいおいそんなすっごいことだったの?そんなんが俺でいいの?そういう風には聞いてないよ状態…。まあ今さらジタバタしても仕方ないので、ここはとにかくちょっとでも観光だ!で食事後、祖界地区の有名なバンドという歴史漂う賑やかなところに行けたのよー。川を渡る地下トンネルは漫画「島耕作」シリーズでも描かれていて1度行ってみたかった所。ガラス張りのロープウェーみたいな乗り物に乗って数分で対岸まで運んでくれます。お土産売り場はかなり昭和の香りただよう雰囲気、でもトンネル内では妙なレーザー光線や人形などが迎えてくれてそれなりにエキサイティング。さらにバンド側から眺める高層ビル群の夜景はまさにグレイト!昨夜のメンバーに上海総領事館の鍋岡さんを加えて、夜景を肴に赤色を基調にしたペントハウスバーでイタリアワインを3本あけました。さすがは上海、いろいろな人にも声をかけられ、すごいパワーを感じる街だったよね。

 4日目は2時間かけて車で杭州へ移動。杭州では中国でも有数の学校・浙江(せっこう)大学で100人以上の人たちを相手に講演です。でもその前にランチした杭州料理は日本の味付けかと思うようなうまさ。とにかく講演前は食事のお供のワインを控え(当たり前だ!)ただひたすら地元のロンジン茶、でもこれもいける。講演は日本語を勉強している生徒もいっぱい来てくれて、話の反応が早い…、から怖い。でも本当にビックリするくらい大歓迎されて、大学側のはからいでなんと“浙江大学客員教授”という称号を頂いてしまいました。「『結界師』もよく知っていますよ」なんて言ってくれる生徒もいて、ホントにうれしかったなあ。講演後は学校の食堂で歓迎会を開いてくれたんだけど、これがまた料理がちゃんとしてるのよ。そこの皆さんにも最後には「とにかく大勢に見て楽しんでもらえるオモシロいモノを、国境を越えて楽しく作っていけるスタッフになろう」的なアドバイスしかできませんでしたが、かなり本音です。各地の領事館の人たち、地元のスタッフたちには本当にお世話になりました。こんな時間を過ごせたことには思いっきり感謝いたします。いろいろとありがとうございました!

 食事はずっと中華料理のオンパレードでしたが、どれもこれも思ったよりも気持ちにピッタリ。大連も上海も杭州もすべてがおいしくて、毎日3食しっかり食べちゃいました。この4泊5日の旅で心も身体も太って帰ってきた気がするなあ。最後の講演で「アニメの仕事を続けていく秘訣は?」という質問に「楽しむことをあきらめない」なんて言っちゃいましたが、飲食の分野で特に発揮されてますよね。

 中国に行っていたから書くのが遅れてしまったけど、3月3日に東京・秋葉原で「第1回 声優アワード」の授賞式が行われました。表彰式を会場で見せてもらいましたが、声優さんの世界はここからまた新たに発展を遂げていくのかもしれません。より大きい世界を目指して我々も協力していきたいと思っています。主演男優賞の福山 潤さん、主演女優賞の(パク・ロミ)さんら受賞者のみなさん、心からお祝いを申し上げます。本当におめでとうございました!