• 『アニ民217人目』 青二プロダクション社長の古市利雄さん
  • 『アニ民217人目』 青二プロダクション社長の古市利雄さん

  • 2014.01.30

 今週のアニ民は青二プロダクション社長の古市利雄さんです。

 古市さんと始めて会ったのはおそらく1986年秋の頃、「ボスコアドベンチャー」の現場だったと思います。まだまだ駆け出しだった僕に、ニコニコと話しかけてきてくれて、業界のアレコレお話をしてくれました。僕が曲がりなりにもTV局の人間だったからでしょうか、多くの人が声をかけてくれましたが、古市さんのそれは当時の僕からしても、明らかに等身大というか古市さんの人柄そのものが話しかけてくれてるようで、とっても心地よい会話だった思い出があります。

 スタジオで僕に会うたびに、丸い顔に満面の笑顔でビールグラスを口に傾ける仕草をしながら「おっ、すわちゃーん、これやってる?」と語りかけられると、本当に毎日飲んでるものだから素直に「やってます」と答えます。すると当然のように「そう、じゃあ、ちょっと行こうか」の流れになったりして。

 当時は古市さんは営業部長でしたか。大勢の声優を抱えた事務所なだけに、マネージャー活動もタイヘンです。その一人ひとりを気にかけながらも、売り込む先をリサーチしていく。そう言えば当時は今の声優界の状況とかなり違っていましたよね。人によりましたが、もうひとつ声優そのものが市民権を得られていなかったような、役者でもなくタレントでもないちょっと中途半端な立場だった気がします。

 古市さんを横で見てたら、その試行錯誤の時代に一番声優自身に寄り添ったマネージメント活動をしていたな、と思います。そんな古市さんが出世され2007年、業界第一の大手・青二プロダクションの社長になる話を聞いた時には、ようやくだけど当然でしょ、と思ったものです。

 組織の中で出世されると現場ではなかなか会えなくなるものです。ですが青二プロさんは年に一回大きなゴルフコンペを開いています。ちなみにこのコンペの特徴はいろいろ声が大きい事。参加者に声優も多く、グリーン上の掛け声も表彰パーティーの司会進行も声量がでかい人たちばかり。当たり前とはいえホントにすごい。で、ゴルフプレーはなさらない古市さんですが、プレー後の声の大きな懇親会ではそんな人たちにまじって笑顔をふりまき、その場のサバキ?プレーは見事なものであります。

 しばらく会えなかった時期にはお身体をこわしていたこともあったように聞きました。今は大丈夫ということで、先日久しぶりのお食事を僕の地元にお誘いいたしました。そこにタイミングが合った声優・田中秀幸さん(アニ民95)も一緒に3人でのよもやま話はむちゃくちゃ楽しくて最高。考えてみれば今まで番組がらみばかりでご一緒するだけだったので、こんな少人数でゆっくりしたのは初めてだったかもしれません。

 昨年11月、声優たちが自主的に開催しているチャリティーイベントにも顔を出していましたね。所属タレント数が300名を大きく超えるような大手プロダクションの社長になっても、声優に対してそーゆー近い距離を持ち続けるのは本当に素晴らしい事です。どうかこれからもアニメ作品に対しても、そして僕に対してもぜひ近い距離でのお付き合いを、引き続きよろしくお願いいたしますね。