• ■7月20日
  • ■7月20日

  • 2004.07.20

 アニメには監督、声優ほか、たくさんの人が関わっているんだ。そんなアニメに携わっている人たちの仕事を順々に紹介していこうと思うんだけれど、最初はエグゼクティブプロデューサーをしている僕の仕事から話させてもらうよ。アニメプロデューサーが毎週レギュラーでやる大切な仕事にシナリオ会議というものがあるんだ。この会議では、半年先に放送する回のシナリオについて、監督やライターたちと一緒に打ち合わせをするの。ライターが書いてきた脚本に意見を言ったり、事件やトリックのアイディアを修正したりね。スタッフ同士でコミュニケーションがとれるし、みんなが作品に対してどんな考えを持っているかもわかるし、本当に大切な会議なんだ。脚本が決定した後、いろいろな作業があるから、作品が完成するまで半年も時間がかかるんだよね。

 シナリオ会議は会社の会議室で話し合う時もあれば、外の喫茶店の時もあるんだ。でも喫茶店で「コナン」の殺人事件について話し合う時は、周りの人が僕たちのことをどう思っているのか、気になることがあるの。だって、みんな真剣な顔をして「これじゃあ人は死なないよ」なんて大きな声で話しているからね。僕たちの話の内容を聞いてビックリする人も多いと思うよ。そして、アフレコ現場に立ち会うのも重要な仕事。アニメに合わせて声優が声を入れるのは大事な時だからね。ここでは、不適切な言葉を使っていないか、放送できる内容か、細かい部分を確認しているんだ。

 僕は1986年の1月からアニメのプロデュースをしているけれど、最初は自分がおもしろい作品を作れるのか、不安が大きかったの。漫画は好きでもアニメのことはわからないから、最初はシナリオについてたくさん勉強したよ。作品の良さを理解し、感じ取れるようになってから、仕事がやりやすくなったね。ちょうど1988年の「シティーハンター」という作品の頃。僕はアニメプロデューサーという仕事は船の舵取りのようなものだと思う。スタッフ間の架け橋になって、作業が円滑に進められるようにサポートする仕事だからね。難しくて大変な仕事だけれど、チームワークがうまくいって、いい作品ができると本当にうれしく思えるんだ。世の中に影響を与えられるような作品を作るのが僕の目標だね。また、次の機会に他のスタッフの紹介もしていくからお楽しみに!!