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『アニメ村のステキな住民たち』アニ民207人目
- 2013.10.31
今週のアニ民はタレントの故 桜塚やっくんです。
先日、不慮の事故により本当に悲しいお別れとなってしまいました。ここではいつものように普通にやっくんと呼ばせてもらいます。そのやっくんと初めて会ったのは2007年2月、映画「名探偵コナン 紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)」の映画PR応援団をお願いする時でした。その前年からなかなかパブリシティの切り口に乏しいアニメ映画宣伝のために、人気タレントにPR活動をお願いするやり方を始めました。こちらからお願いするに条件はひとつ、コナンを好きな事です。ちなみにやっくんの前年は上戸彩さん。
いくつかお願いした活動の中に甲子園の始球式というのがあり、その日は一日かなりの時間を一緒にすごせてやっくんといろんなお話が出来ました。その2007年4月21日の甲子園・阪神-巨人戦の始球式、大人気のスケバン恐子にふんしたやっくんは、マウンドから見事にキャッチャーまでボールを届かせます。
そしてその9月、やっくんがコナンも含めてアニメやマンガ好きなことも、いくつかの作品で既に声優をつとめていたこともあって、満を持したかの如くお願いしたのが「名探偵コナン 1時間スペシャル テレビ局の悪魔」でした。役名はご本人も少しオーバーラップしてるかの犯人役・サタン鬼塚です。正直言って鬼気迫るやっくんの演技に、すごく満足し感心した収録をよく覚えています。またすぐにでも参加してもらいたい、そんな実力を充分感じました。
結局その後番組出演はタイミングが合わなかったのですが、その代わりプライベートなおつきあいはずっと続くことになります。いつぞやのボージョレヌーボーの会にガールフレンドと参加してくれたやっくん。毎年恒例のパーティーがその時ばかりはおかげさまで異常に盛り上がりました。そして僕のプライベートパーティーでも参加者を楽しませるために、惜しげもなくキャラクターを振りまいてくれましたよね。逆にやっくんが出演する舞台公演のご案内をもらっては、高山さんやコナンチームで観にいったりして、ステキな関係は永遠に続くと思っていました。
あれは9月11日の夜遅く、僕がよく行く神宮前のBAR・KでTMS小島Pと飲んでいた時、突然お店に入って来たのがやっくんでした。愛犬シェリーを抱っこしてのご来店、ということはここよく来てるの?と思ったら、やっくん、この店初めてだそう。じゃあなぜ?って聞くと、入って来たのは僕らの隣に座っていたお客の犬を、外から見かけて気になったとのこと。その奥に僕がいた…というわけですっごい偶然にお互い超ビックリ!その時の楽しい会話と握手がやっくんとの最後になってしまいました。次に会う約束もしたのに…、まさかお別れを言いに来たわけじゃあないですよね。
自分の事をおいらと呼ぶやっくん。実は初めてそれを聞いた時にはちょっと違和感を覚えていました。だってその時は思い切り時の人。でもそんなことまるで関係ないかのように、まっすぐ自分の人生を歩んでいたことは、横から見ていてよくわかっていました。話題のバンド活動もやっくんらしく、元気で楽しく自由でした。僕とやっくんをつなぐのは決して太くはない糸でしたが、突然切られて悲しく戸惑っています。でも未だにネット上でもやっくんに対しての好意的な大量メッセージがあふれています。それらに強く同意しながら、やっくんとの想い出を大切にしていこうと思います。享年37歳、心からご冥福をお祈りいたします。