オーストリアのピアノ調律師・加藤嘉尚さん(66)と、福岡県で暮らす姉をつなぐ。自宅にあった姉のピアノがきっかけで調律師の仕事に衝撃を受け、自身も調律師となった嘉尚さん。あるとき、ラジオから流れてきたドイツ製のピアノの音色に「世界にはこんな素晴らしいピアノがあるんだ」と再び衝撃を受け、あてもないまま24歳のときに音楽の都・ウィーンに渡った。そしてウィーンのピアノ工房に就職するも、日本では想像しなかった壁にぶち当たり、工房を離れることに。そんな頃に出会ったのが、後に生涯の相棒となるハンス・ヴァルナーさん。貴族の末裔としての生活が嫌で家を飛び出したハンスさんとともに、居場所を無くした若者2人でピアノの事業を立ち上げたのだった。今もただひたすらに大好きなピアノを追い求め続ける弟へ、日本の姉が届ける想いとは。