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2024.11.22

“いのち”を彩られた生きものたちと会話ができる?不思議な展覧会

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『石村嘉成展~いのちの色たち~』いしむらよしなりという人_その②

現在、兵庫県立美術館ギャラリー棟にて開催中の展覧会『石村嘉成展~いのちの色たち~』(~12月8日(日)まで)。

石村嘉成が描くのは「生きもの」。それは草花、昆虫、水中の生物から野生でたくましく生きる動物たちまで、つまり「いのちあるもの」たち全般です。

動物画は古今東西描かれてきました。すべての生きものが持ついのちの美しさに、多くの画家たちが魅せられ、彼らの形そのものの美しさを描こうとしたのだと思います。石村嘉成もまた、いのちあるものたちの美しさを描き続けている画家であることは間違いないのですが…彼の描く「生きもの」は少し違います。

生きもの全体のシルエットは分かりません。躍動感あふれる動物の動きは描かれていません。ただ、キャンバスいっぱいに生きものの「顔」が描かれており、キャンバスの側面にまで“いのちの色”があふれています。そうです「ドアップ」なのです。
そんな石村嘉成の描く生きものたちは、その瞳から何故か感情が伝わります。
たとえばライオンはたてがみが描かれていないのですが、その表情から喜んでいるのか怒っているのかが伝わってきます。パンダも、耳やしっぽは描かれていませんが、楽しそうなのが伝わってきます。
あまり例を見ないその構図のワケを探しているときに一枚の写真と出会いました。

石村嘉成を深く愛し、厳しく育てた母との一枚です。

とくにウサギは有名ですが、動物はお互いのおでこをくっつけてコミュニケーションをとると言われています。この写真は、まさに石村嘉成が最愛の母と言葉はなくとも意思を通わせていることが伝わってくる一枚です。
真意は分かりません。
しかし、石村嘉成が描く対象の生きものは、彼が動物とコミュニケーションをとる時の目に映る構図なのではないかと想像して腑に落ちました。

石村嘉成は実際に動物に会い、動物の映像を見て描く画家です。彼らの声が聴こえているのかもしれません。怒っている○○、喜んでいる○○とタイトルがついていますが、タイトルを見るまでもなく、生きものたちの喜怒哀楽が伝わる、そんな不思議な展覧会にぜひ遊びにお越しください。

INFORMATION
日程 開催中!(~12月8日(日) まで)
会場 兵庫県立美術館 ギャラリー棟 3階ギャラリー
チケット 好評発売中!
公式サイト https://www.ytv.co.jp/yoshinari/
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