12月6日(水)
一口飲めばわかる違い…普段飲まない人でも、“香り”・“味”にはまる人が続出中の 「クラフトビール」 一時のブームに終わらない勢いの裏側【かんさい情報ネット ten.特集】
「フルーティーで飲みやすい」「香りが良くて飲みやすい」「料理に何が合うか考えるのが楽しみ」、今、クラフトビールにはまる人が増えています。種類が豊富で、香りと味も様々。自分好みの味が見つかることが、大きな魅力です。京都にあるキリンビールが運営するクラフトビールの専門店には、連日多くの客が訪れ、好みの一杯を楽しんでいます。アルコール離れが進み、ビールの販売量は激減する中、クラフトビールの市場は拡大しています。高齢化や売上減少に苦しむ原料の生産農家にとっても、活路を見出す明るい兆しに…。もはや一時のブームには終わらない勢いの業界を取材しました。
【特集】ビール業界の救世主!?いま、じわじわ人気上昇中の「クラフトビール」お酒を飲まない人にも選ばれる魅力とは?ヒットのウラにはメーカー同士の協力も…一時のブームに終わらない勢いの裏側

“香り”・“味”にはまる人が続出中の「クラフトビール」
今、「好みや食事にぴったりの物が見つかる」と、クラフトビールを選ぶ人が増えています。アルコール離れが進む一方、女性を中心に普段お酒を飲まない人にも選ばれる、その魅力とは?
「次も、また飲んでみたい」と思えるような究極のバランスを目指して…大手ビールメーカーが手掛ける「クラフトビール専門店」

京の路地裏で「至極の一杯」
古都・京都の路地裏に灯を灯す、一軒の店。京町家を改装した落ちついた雰囲気の店内で、提供されるのは…至極の一杯。一口飲めば、確かにわかる“違い”。香りと味に“はまる”人が続出中です。
(来店客)
「香りが良いのと、華やかさがあって、フルーティーで飲みやすい」
「料理に何が合うかと考えながら飲むのが、クラフトビールの楽しみ」

キリンビールが手掛ける『スプリングバレーブルワリー京都』
『スプリングバレーブルワリー京都』は、キリンビールが手掛けるクラフトビールの専門店。フルーツの優しい香りがするもの、苦味をおさえたものなど7種類以上が用意され、普段お酒をあまり飲まない人も料理に合わせた味を楽しめます。ゆったりした時間を過ごしたい女性を中心に、リピーターも増えています。香りや味の違いは、どこから来るのでしょうか。

ビールの味決める『ホップ』
(スプリングバレーブルワリー京都・ヘッドブリュワー 辻峻太郎さん)
「これが、ビールの原料のホップというもので、いわゆるハーブみたいなものです。フルーツの香りや草っぽい香りなど、ホップの“キャラクター”がビールの味を決めるので、そのときに最適なものを選んで、ビールを作っています」

ニーズに合わせて“おいしさ”追及
ビール元来の味に縛られず、飲み手が求めるモノに合わせて原料を選び、“飲みやすさ”や“おいしさ”を追求しているのです。
(辻さん)
「複雑な香味やフレーバーが混ざり合って、ビールはできています。『次も、また飲んでみたい』と思えるような究極のバランスを目指しながら、ビール作りをしています」
「いずれは一つのカルチャーとして」一過性のブームでは終わらせない!作り手たちが描く、大きな夢

パッケージも中身も個性的
アルコール離れが進み、ビール全体の消費量は20年前に比べ半分以下にまで落ち込んでいます。一方クラフトビールは、価格は割高なものの販売量はここ5年で倍近くにまで増加。パッケージも中身も個性的なものが揃い、幅広い層から支持を得ています。

クラフトビール“専用”サーバー登場
鮮度が良いものを提供しようと、クラフトビール専用のサーバーまで登場。機械一つにも、美味しさを求めるこだわりが詰まっています。そして、新たな取り組みが―。

クラフトビール人気は減少する農家の活路に
京都府の北部・与謝野町。ここで作られるホップは独特の香りが特徴で、そこに目を付けたキリンビールが、与謝野町のホップだけを使ったクラフトビールを作ったのです。市場が先細る中、クラフトの躍進が、農家の売り上げを増やすチャンスとなっています。
(京都府与謝野町のホップ農家・藤原ヒロユキさん)
「日本全体からいうと、ホップ農家は減っていっているのが現状です。高齢で、『もうホップ辞めるわ』と。クラフトビールの市場が広がっていくことで、農家も活路を見出せると僕は思っています」

「ヒット商品」のウラにはメーカー同士の協力が
また、メーカー同士も、この機会を生かそうと連携を深めています。互いの製法を隠すことなく教え合うことで、次のヒット商品が生まれやすい土壌ができているのです。もはや、ひと時のブームに終わらない勢い。作り手たちは、大きな夢を描いています。

ビール市場に“わくわく”を
(キリンビール・マスターブリュワー 田山智広さん)
「均質的で画一的でつまらなく見えるビール市場が、ワクワクできる市場に見えるようになるのでは。いずれはクラフトビールが、1つのカルチャーとして日本にも定着していくのではないかと思います」
(「かんさい情報ネットten.」2023年12月6日放送)
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