4月18日(月)
京都に関西初上陸のスイーツ店がオープン!店長はなんと22歳の新卒の女性!甘くはない…その奮闘の日々とは
4月、京都に有名パティシエのスイーツ店がオープンしました。店長を任されたのは、なんと社会人経験のない22歳の新卒の女性! 喜びと不安が入まじり、決して“甘くはない”オープンまでの日々をノゾキミしました。
【ノゾキミ】関西・京都に初上陸!『青木定治のスイーツ店』 店長はま・さ・かの社会人1年生! ちょっぴり涙もろいチョコレート大好き22歳の挑戦 その甘くない開店までの奮闘の日々!

色とりどりのマカロン
ショーケースにケーキや色とりどりのマカロンが並びます。パリ在住のパティシエ、青木定治が生み出す極上のスイーツたちです。青木シェフはフランス最優秀パティシエへの選出やパリ市庁賞の受賞など、高い評価を得ていて、世界で最も注目されているパティシエの一人です。そんな青木シェフが2022年4月1日、関西初の常設店を京都にオープンしました!

青木定治 関西初の常設店を訪れたお客さん
(お客さん)
「きょうオープンなので、すぐ来たいって言って、きょう来ました!」
お店では一人の女性が接客をしていました。
(萬福天弓さん)
「2点で4320円でございます」

社会人1年目 店長を任された萬福天弓さん
店長を任されることになった、今年大学を卒業したばかりの、22歳、萬福天弓(まんぷく・あゆみ)さんです。
有名パティシエのお店をいきなり任された22歳の女性、決して甘くないオープンまでの日々をノゾキミしました。
『パティスリー・サダハル・アオキ・パリ』 アルバイトから店長へ

『パティスリー・サダハル・アオキ・パリ』でアルバイトする萬福さん
2022年1月、ジェーアール京都伊勢丹で開かれていたチョコレートの祭典、「サロン・デュ・ショコラ」。世界中からおよそ80のブランドが集結している大人気のイベントです。
(萬福天弓さん)
「どうぞ、お近くでご覧くださいませ。『パティスリー・サダハル・アオキ・パリ』でございます」
萬福さんはサダハル・アオキのブースで大学2年の時からアルバイトをしています。
3年前、短期留学でイタリアに行った際、チョコレートの工場見学でその魅力にはまり込んだ萬福さん。帰国後、チョコレートを極めたいと思い、『パティスリー・サダハル・アオキ・パリ』でのアルバイトを始めました。
(萬福天弓さん)
「去年のホワイトデーの時にここの社員さんと一緒に、『就職先どうしようか』みたいな話をしていて、その時に結論として、自分が一番好きでおススメできる商品を、おススメできる仕事をしたいってなった時に、ここ(サダハル・アオキ)しかないのかな(と思いました)」

開店前の新店舗(京都)
別の日、京都市内に新しく開業するホテルの1階ロビーにできるサダハル・アオキの新店舗を見るため、青木シェフと萬福さんがやってきました。
(『パティスリー・サダハル・アオキ・パリ』 青木定治シェフ)
「(店舗が)できたね!」
(萬福さん)
「品があっていいですね!」
この春、京都市内でオープンする新店舗。シックで落ち着いた雰囲気に仕上がっています。
ここで青木シェフから店長就任が告げられました。
(青木シェフ)
「君がここで店長ぽっくやっていく感じで…」
少しは予期していたものの、新卒・“社会人経験ゼロ”でいきなり店長とは、喜びと不安が入り混じります。
(萬福さん)
「なんか、どうしよう。最初の光栄すぎる言葉に涙が出そうになってしまいました。頑張りたいと思います!」
(青木シェフ)
「僕のスカウトなので、うちの催事を3年位やってもらっていて、色々動きをみたり、一緒にご飯を食べに 行ったりして、細かいお店の決め事なんかは徐々に覚えておけばいいけど、ベースの愛想、愛嬌があるというかな、そこが大事。」
期待に応えられるようにがんばらないと…
開店までの修行の日々

教育担当 末岡千南さん
この日、萬福さんの姿は東京・丸の内にあるサダハル・アオキの店舗にありました。
(萬福さん)
「初めまして、お早うございます。萬福です。よろしくお願いします」
店長として店をやっていくための研修がこの日からスタートしました。
(教育担当 末岡千南さん)
「ここはパリのブティックであるっていうのがコンセプトなので、プライスタグなんかにもフランス語を使っています。赤く見えているこれ、“ビスキュイ ジョコンド”と“グルマンディーズ フレーズ”をしみ込ませているっていう…」
「チーズケークシトロネ、シトロネはレモン、なのでレモンのクリームを流したチーズケーキで…」
横文字だらけの上に覚えることが本当に沢山あります。これは一筋縄ではいきそうにないです。
今まで経験のないケーキを扱った時にそれは起きました。ショーケースにケーキを入れる時、指がイチゴに当たってしまい、次の瞬間…

ケーキをケースに入れるときには“要注意”!
(萬福さん)
「やってしまった!」 イチゴが落ちてしまいました。
こんな時には・・・
(末岡さん)
「パティシエさんに謝りにいく!すいません、壊してしまいましてと。」
(萬福さん)
「はい」
イチゴを落としたことを中々言い出せない萬福さんですが、やっと…パティシエのところに謝りに行きました。
(萬福さん)
「すいません。申し訳ありません。イチゴを落としてしまって…」
落としたことを正直に言って、パティシエにも謝ることができました。 研修初日、大丈夫でした?

研修初日を振り返る萬福さん
(萬福さん)
「情報量が多すぎて、ちょっとパンク気味です。ケーキ自体をどうやって扱うのかというところが想像以上でした」
(末岡さん)
「繊細な商品だから、難しかったよね」
(萬福さん)
「怖かったです」
(末岡さん)
「怖かったよね」
(萬福さん)
「イチゴを落とした時は、カメラ止めて!と思いながら…」
あと1か月半に迫った店舗オープンに向けてほろ苦い日々が続きます。
大学卒業 母の思い

大学の卒業式を迎えた萬福さん
3月22日。小雨が降りしきる中、大学の卒業式が行われました。
(立命館大学 石田雅芳 教授)
「卒業証書、学位記。萬福天弓さん。以下同文になります。おめでとうござます」
萬福さんが在籍していたのは、立命館大学の「食マネジメント学部」です。4年前、「食を総合的に学ぶ学部」 として日本で初めて誕生しました。

萬福さんの恩師 立命館大学 石田雅芳 教授
Q 萬福さんはどんな学生でしたか?
(立命館大学 石田雅芳 教授)
「非常に愉快な子だと思います。何が良いかというと、自分をとっても気に入っているというのがいいんじゃないかなと思います。自分の人生を気に入っているし、特別良い人生を送りたいと思っているんだと思うんですね。その気概が私は好きです」
その後、卒業式が終わってすぐにタクシーに乗り込みました。一体どこに向かうのでしょう。
(萬福さん)
「鹿児島に、実家に帰りたいと思います」
鹿児島県出身の萬福さんが、“食”を志したのは家族の影響が大きかったといいます。
(萬福さん)
「ちょうど進路を考える時が高校生位の時なんですけど、その時に父が病気になって、食べ物が段々食べられなくなっていく姿を見て、家族で食卓を囲んでいる時が唯一父が笑顔をすごく多く見せる時間だったので、自分は将来“食”に関わることをしたいなと思うようになりました」

袴姿を見せるため5時間かけ実家に
両親に袴姿を見せるため5時間かけて実家に帰ってきました。
(萬福さん)
「ただいま!」
(母・萬福清香さん)
「おかえり!」
(萬福さん)
「久しぶり!」
(母・清香さん)
「久しぶりやったね。(卒業)おめでとうございます」
(萬福さん)
「ありがとうございます。お父さんただいま。ちゃんと卒業しました」
(母・清香さん)
「やったね、4年間よくがんばりました。がんばったね」
(萬福さん)
「ありがとうございました」

父 萬福博文さん
お父さんも嬉しそうでな笑顔を見せています。
(母・清香さん)
「やっぱり今からが本当の天弓ちゃんの人生だと思うから。今までいろいろしてくれた人には直接恩返しができないけど、天弓ちゃんが助けてもらったように人を助けてあげられたら、それが一番の恩返しになると思うから」
(萬福さん)
「なんか、すごい、道徳や!」
(母・清香さん)
「いつも小さい時から言っているのが、このことなんですよ。とにかく、色んな人に支えられている子で、今言ったことを実践していってくれたらいいのかなって思うところなんです」
ついに開店 新米店長は…

『パティスリー・サダハル・アオキ・パリ』烏丸御池店 オープン初日
そして迎えたオープン初日。開店ギリギリまで準備が続いていました。
研修の時に失敗していたケーキの扱いも問題ないようです。
萬福さん自分のネームプレートを付けながら…
(萬福さん)
「マネージャー、萬福って書いてあります。大丈夫です。がんばります」

地元京都の食材を使った限定メニューのケーキ
今回の新店舗では「お抹茶」や「ゆず」など、地元京都の食材を使ったここでしか買えない限定のメニューもいくつか用意されています。
(萬福さん)
「いらっしゃいませ」
午前10時を迎え、いよいよお店がオープン。開店後すぐにお客さんで一杯になり、長蛇の列ができました。
(萬福さん)
「こちらの計7点でお間違えないでしょうか。あ、失礼しました。8点でお間違えないでしょうか。こちらバンブーのケーキでご用意します」
(スタッフ)
「サヤ(の間違い)です」
(萬福さん)
「あ、すいません、失礼いたしました。ごめんなさい」
不慣れな萬福さんに、さらなるトラブルが・・・。購入したはずの商品が一つ入っていなかったといいます。お客さんに謝罪して、後日その商品を渡すことで理解してもらいました。
緊張の連続で余裕のなかった萬福さんに嬉しい出来事がありました。
大学時代のゼミの友達がお店に来てくれました。

大学時代のゼミの友達がお祝いに来店
(萬福さん)
「ありがとう来てくれて、ありがとうございます」
(大学時代の友人新崎真緒さん)
「大したもんじゃないけど、店長就任おめでとうございます!」
(萬福さん)
「ありがとう!」
(新崎さん)
「大したもんじゃないから」
(萬福さん)
「えー、嬉しい。ありがとう」
(新崎さん)
「いろいろ話には聞いていたので、本当にリアルに形になって今こうやって現場に来て、私もウルってきちゃいました」
友達が来たことで少し緊張が和らいだようです。

オープン初日 閉店の時間
オープン初日の閉店の時間が来ました。
(スタッフ)
「電気を落としてもらってもいいですか」
(萬福さん)
「(初日が)終わった…」
(スタッフ)
「お疲れ様でした!」
(萬福さん)
「ああ…、疲れました…」
(スタッフ)
「時間が過ぎるのが矢のように早かったね…。お疲れ様!」
(萬福さん)
「やることが、イッパイイッパイで、なんて言ったらいいのか…、ちょっとパンクしているなっていう感じです。でも、動き出したんだなっていう嬉しさ、ありがとうございました!」

青木シェフからの特製ケーキ
ここでサプライズです。青木シェフからお祝いの特製ケーキのプレゼント。
(青木定治シェフ)
「それでは、社会人、今日1日目だよね。新社会人どうぞ」
(萬福さん)
「ありがとうございます!」
(青木定治シェフ)
「こんな良いところで、最初からスタート出来たし、うちの期待の星ですから」
オープン初日に味わった甘くて苦いチョコレート。その魅力を伝える日々は、 まだ始まったばかりです。

青木定治シェフ萬福天弓さんとスタッフの皆さん
(青木定治シェフ)
「がんばるぞー!」
(萬福さん)
「ありがとうございます!」
(「かんさい情報ネットten.」2022年4月18日放送)
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